アナブログ:野川諭生 バックナンバー一覧

2024.11.13(水)

氷見駅(富山県)

富山県氷見(ひみ)市の氷見駅。富山県第二の都市である高岡市から延びるJR 氷見線の終着駅です。氷見線が走るのは、「天然のいけす」とも称されるほど豊かな海の幸に恵まれる富山湾沿い。天気の良い日には3000メートル級の山々が連なる立山連峰とコラボした列車の写真が撮れるとあって、非常に人気の高い路線です(車内からもダイナミックな日本海が臨めますよ!)。 主力として走るのは、どこかで見たことがあるような車両。芸備線でもおなじみのキハ40や47といった国鉄時代に作られた気動車です。走っている地域はまったく違いますが、まったく同じ塗装(”朱色5号”と呼ばれる色です)のため、ぼーっと写真を見ていると「芸備線かな?」と一瞬錯覚しそうになりますね。ただし、車内を見ると興味深いポイントが。 富山湾沿いを走る氷見線用の車両とあって、津波発生時に備えた注意喚起が貼り出されています。いっさい海に面した箇所を通らない芸備線との、明確な違いと言えそうです。 さて、氷見と言えば「氷見の寒ブリ」が全国に名をとどろかす海産物の名産地。現地で食べる幸せを享受するために足を運ぶ人も多い観光地ですね。 ​​​​​​私が当地を訪れた理由もそこにあったわけですが、あろうことか当日は寝坊をしまして、午後3時ごろというなんとも中途半端な時間に着いてしまいました。なんとか市中を探し回って見つけた回転すし店に入ったわけですが・・・。 (見ての通り、ブリ!・・・ではありません。ごめんなさい!)そのレベルの高さにびっくり。現地のお酒と合わせて、富山の味覚を堪能させていただきました。 ふたたび氷見駅。JR 氷見線は、おおむね5年後をめどに第三セクター「あいの風とやま鉄道」へと経営移管される方針が固まりました。絶景と海の幸という資源を生かし、これからも地域輸送・観光輸送、両面での活躍を楽しみにしています。 

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2024.10.27(日)

永田町駅(東京都)

東京都千代田区、東京メトロの永田町駅。有楽町線と半蔵門線、そして南北線の3路線が乗り入れるほか、銀座線と丸ノ内線の赤坂見附駅とも(かなり距離があるものの)地下でつながっており、都内でも屈指の”地下鉄集積”地帯となっています。 皆さんもご存じの通り、当駅周辺はまさに首都機能の中心地。出口案内に出てくる施設名や地名などを見ても、それを実感します。 半蔵門線のホームです。東京メトロ全体で見た場合、当駅の乗降客数はさほど多くはないのですが、乗り換えの需要が多いこともあって、朝晩を中心にホーム上は混雑します。 ホームの壁面をよ~く見ていただくと、丸みを帯びているのに気づいていただけるかと思います。地下鉄の建設作業における工法には主だったものとして、土を掘り返して建設後に埋めなおす、もっともオーソドックスな「開削工法」とシールドマシンと呼ばれる機械の歯車を回して横に掘り進める「シールド工法」がありますが、丸みを帯びたトンネルの形状はシールド工法の特徴のひとつです。 地上の交通に与える影響の少なさや軟弱地盤での耐久性に優れていることから、一般的に 路線が作られた時代が新しくなるほどシールド工法で建設される区間が主流となっています。閑話休題。東京メトロはいわゆる「エキナカ」の開発を進めています。改札を出ずに買い物ができるエキナカ施設は、利用者にとって便利ですよね。 永田町駅のそれは大変充実していまして、カフェからごはんものまで幅広く楽しむことができます。私も就活していたころ、このエキナカのお店に籠って畏友に見守られながらエントリーシートを書いた思い出が。駅は十人十色の物語を彩ってくれますね。

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2024.10.21(月)

伊予大洲駅(愛媛県)

愛媛県大洲市のJR予讃線、伊予大洲駅。城下町として栄え、「伊予の小京都」とも呼ばれる大洲市の中心駅で、特急列車・宇和海(うわかい)や、観光列車・伊予灘ものがたりなど全列車が停車します。 停車中の観光列車・伊予灘ものがたり。この車両はすでに引退しており、いまは よりグレードアップされた2代目車両が走っています。 美しい瀬戸内海(伊予灘)を眺めながら美味しい食事がいただけるとあって人気が高く、鉄道ファンが一度は乗ってみたい存在として名前が挙がることも多い、JR四国が誇る看板列車のひとつです。(※料理のメニューは現在とは異なります) さて、話を伊予大洲駅に戻しますと、ホームは2面3線で、それぞれ跨線橋で結ばれている構造です。写真奥の松山方面へ向けて、予讃線はこの駅から海沿いを走る旧線と、高速化対応された新線へと分岐していきます。旧線(愛称:愛ある伊予灘線)を進むと、絶景スポットとして鉄道ファン以外にも人気が高い下灘(しもなだ)駅がありますね。 駅舎は近年立て替えられ、伊予の小京都の玄関口としての風格を感じるたたずまいです。 (↑夏を感じる空の色ですね!)それにしても、かの地を訪れたのはかれこれ5年前!そろそろ、再訪しなくては! 

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2024.10.11(金)

中山観音駅(兵庫県)

兵庫県宝塚市、阪急電鉄・宝塚本線の中山観音駅。宝塚本線は、前身である箕面有馬電気軌道時代に作られた阪急の創業路線の一つで、この駅も1910年(明治43年)の同線開業時に「中山寺駅」として開設されました。・・・ということは、阪急最古の駅の一つになりますね。 中山寺駅から中山駅と名前が変わり、2013年に現在の中山観音駅へと再改称。安産の神様として名を馳せる中山寺の最寄駅ということで、参拝客でにぎわいます。宝塚本線には寺社仏閣の名を冠した駅がいくつかあるのですが、この辺りは中山観音、売布神社(めふじんじゃ)、清荒神(きよしこうじん)と3駅続くんですよね。初詣の時期は、いつにも増して車内が混雑します。 宝塚本線はカーブが多い路線として有名で、この中山観音駅周辺も例外ではありません。 (ファン目線だと、なかなか良いカーブです笑)いまでこそ住宅が立ち並ぶ沿線ですが、創業時はどんな景色が広がっていたのかなぁ。そんな想像をしながらカーブを感じる鉄道旅も、乙なものです。 

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2024.10.4(金)

東武ワールドスクウェア駅(栃木県)

栃木県日光市、東武鉄道・鬼怒川線の東武ワールドスクウェア駅。駅名のインパクトもなかなかのものですが、、、 駅舎のデザインもなかなか個性的です。駅名の由来となっている(というより、そのままの)ミニチュアパークへのアクセス向上のため、2017年に開設されました。 ホームは1面1線。つまり、上下線でホームを共有しています。新しく設けられた駅ということもあって、かなり急なカーブ上にホームがありまして・・・ 列車が停まるとこのとおり。ホームと列車の乗降口の間が、通常よりも一段高くなるようなイメージです。 切符売り場も自動改札機もなく、設備としてあるのは簡易ICカード改札機と乗車駅証明書の発行機のみ。しかも、先ほどお伝えした通りホームは1面1線という、きわめて「簡素」なつくりの駅なのですが・・・ 特急列車も含めて、基本的に全列車が停車します。駅の規模と停車する列車種別の感覚が合わない駅、なんだか気になる性分です。 

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2024.9.24(火)

箕面萱野駅(大阪府)

大阪府箕面市、北大阪急行・南北線の箕面萱野駅。北大阪急行(以下、北急線)は、大阪の大動脈である地下鉄・御堂筋線と一体で運転されていまして、沿線からは新大阪や梅田、なんば、天王寺といった大阪の名だたるスポットへ乗り換えなしでアクセスすることができます。 北急線の北側の終点は長らく豊中市の千里中央駅だったのですが、この春、待望の延伸が実現。大阪が誇る縦の交通軸の恩恵が箕面市まで広がることとなりました。 真新しい看板がまぶしいほどです。今回のタイミングに合わせて看板やサインのデザインを一新するなど、この延伸にかける北急の気合が伝わってきます。 出口は、メインとなるこちら、北改札口と・・・ こじんまりとした南改札口の2か所です。南改札を出たエリアはまだ再開発中で、工事用の囲いがありました。大動脈の始発駅としてどんな街づくりがされていくか、楽しみですね。 駅前にはバスターミナルも整備され、箕面市の内外と結ばれることになりました。まさに"交通の結節点"が出来上がった印象です。なかなか地方圏でこれほどの規模とはいきませんが、鉄道駅をハブとした街づくりを見ていくうえで非常に興味深い光景でした。 

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2024.8.19(月)

新旭駅(滋賀県)

滋賀県高島市のJR湖西線、新旭駅。湖西線は琵琶湖の西岸を走ることからその名前が付けられた比較的新しい路線で、今年の7月で開業50周年を迎えました。 高架や盛土など視点の高い区間が多く、琵琶湖をきれいに望むことができます。また、特急が頻繁に通る高規格線路のため、列車は高速走行(最高速度:130km/h)が可能。この季節にぴったりのさわやかな車窓を楽しむことができます。 さて、新旭駅の外観です。湖西線の駅に頻出する「白地に黒い字で書かれた駅名の看板」がなんとも言えない味を出しています。 日中に停車する列車の本数は1時間に1本。とはいえ、そのほとんどがJR西日本の看板列車・新快速ですから京阪神方面へ1本でアクセスすることができます。 (古めの高架駅からしか摂取できない養分があると信じてやみません) ところで、当駅周辺は ”水の郷”として知られており、このうち針江地区では、地元のガイドに案内していただくことができます。 忘れかけていた日本の原風景に出会うことができますよ。 ことしも残暑が厳しいですね。皆さんもどうかご自愛ください。 

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2024.7.18(木)

津島ノ宮駅(香川県)

香川県三豊市(みとよし)のJR予讃線、津島ノ宮駅。「・・・ん?初めて聞く名前の駅だぞ?」と思った方もいらっしゃるかもしれません。その理由は、↑の駅名票の裏側に書いてありました。 こちらに書かれている通り、この津島ノ宮駅は「日本一営業日が短いJR駅」。開設されるのは一年のうちわずか2日です。何故、それほど特殊な営業スタイルとなっているのでしょうか。 そのワケは、駅名の由来となっている津嶋神社に。子どもの守り神として知られ、毎年8月3~5日に執り行われる夏季例大祭の折には多くの人が参拝に訪れます。 (本殿は瀬戸内海に浮かぶ島の上。参拝客は、通常例大祭期間のみ開放される橋を渡って参拝します)津島ノ宮駅はその期間に合わせて、例年8月4日と5日のみ開設されるのです。そんなユニークな駅があれば、これはもう行くしかないとのことで、 私、去年の開設時に行ってまいりました・・・!山陽新幹線と在来線を乗り継ぎおよそ2時間。津島ノ宮駅のホームに降り立った私が、乗ってきた普通列車を振り返ってみると・・・。 「とても・・・傾いている!」私の下手な写真では伝えきれないもどかしさ。ホームがカーブ上にあるので、ちょっとびっくりするくらいの傾き方をするのですね。 駅の構築物も、極めて"臨時駅 然"としています。限定販売された入場券や、「津島ノ宮駅へ行った」ことを証明するためのアイテムを入手するためこの日は臨時開設された窓口に列ができていました。 私は津島ノ宮駅の名が刻まれた入鋏(にゅうきょう)印を青春18きっぷに押していただき、それを使って帰広しました。ユニークな津島ノ宮駅は、ことしも8月4日と5日に開設されるとのこと。夏の思い出に臨時駅。皆さんもいかがでしょうか。

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2024.6.24(月)

神田駅(東京都)

東京都千代田区の神田駅。山手線で東京駅から一駅2分のところにありながら、江戸下町の風情を色濃く残す街です。私、野川が小学1年生~4年生までを過ごした地でもあり、「江戸時代から続く(!)青果店」の長男などいわゆる ”ちゃきちゃき” の同級生とともにこの界隈を走り回っていました。「江戸っ子」ではなく「神田っ子」であることに誇りを持っている粋な大人とたくさん出会った思い出があります。 さて、メガターミナル・東京ステーションの隣ということで、ここ神田駅にも多くの路線が乗り入れます。山手線と京浜東北線は秋葉原・上野方面へと北進しますが、中央線は当駅で別れて御茶ノ水・四ッ谷方面へと進路を取ります。 私が過ごしていたころには無かったホームドアが設置されるなど、各所アップデートが施されているわけですが・・・ 屋根を支える骨組みなど昔と変わらない部分もあって懐かしい気持ちになりました。(もっとも、このレベルになれば私が過ごしたころとか、そんな時代の話ではありませんね笑) 改札を抜けると東京メトロ銀座線への連絡階段・通路があります。私がメインで使っていたのはJR各線ではなく銀座線でしたので、そちらの神田駅も日を改めて紹介させてください。年始、おそらく5年ぶりに訪れた神田。街並みを眺めていると様々な記憶がよみがえってきました。また行きましょう。 

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2024.6.17(月)

矢賀駅(広島県)

広島市東区、JR芸備線の矢賀駅です。 広島駅から一つ目にもかかわらず、おばあちゃんの家に帰ってきたかのような安心感を覚えるローカル感。一日の平均乗車人員を見てみると、お隣の広島駅の63,215人に対して、矢賀駅は860人となっています(令和4年度。広島市統計書に拠る)。 窓口の雰囲気もいいですねぇ。私がこちらへ伺ったのは矢賀駅の「みどりの窓口」営業最終日。一般のお客さんに加えて、それを知る鉄道ファンと思しき方々が記念に切符を買い求めていましたよ。(もちろん、私も買わせていただきました)みどりの窓口の廃止とともに、矢賀駅は終日、無人駅となりました。 駅舎からホームへの連絡は跨線橋で。芸備線は、全国的にも数を減らしている気動車・キハ40系列がバリバリ活躍する路線でもありますね。ちなみに、上の写真の右端の高架は山陽新幹線の車両基地へと続いており、運が良ければベテラン気動車と最新鋭の新幹線車両のコラボを目にすることができます。

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2024.6.10(月)

一乗寺駅(京都府)

京都市左京区の一乗寺駅。「えいでん」の愛称で親しまれる叡山電車で、出町柳駅(京阪電車と接続)から揺られること5分ほどです。 小ぶりなサイズ感がなんともいとおしい。こんな駅を日常使いできる生活にあこがれます。ちなみに・・・ 一乗寺駅周辺は京都市内屈指のラーメン街。あの「ラーメン○郎」の京都店もこの辺りです。周囲には大学も多く、食べ盛りの学生が幸せそうな顔でお店から出てくる場面にも遭遇しました。 個性的な一杯も多い激戦区。休日に食べ歩くのも楽しいかも!(私にはもう無理です・・・) 

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2024.6.3(月)

松江イングリッシュガーデン前駅(島根県)

島根県を走る一畑電車・北松江線の「松江イングリッシュガーデン前」駅。読み仮名にして16文字。「長い駅名だなぁ」と思いましたよね。私も思いました。ただ、この駅にはかつて、さらに長い名前が付けられていたんです。その名も「ルイス・C.ティファニー庭園美術館前」。読み仮名にすると23文字で、これは当時の日本で一番長い鉄道駅名でした。その後、名前の由来となった美術館の閉館に伴い、2007年に現在の駅名へと改称されています。 出雲と松江を結ぶ北松江線は絶景が楽しめる路線。終点の松江しんじ湖温泉駅付近では、車窓から宍道湖と夕陽のマリアージュを楽しむこともできますよ。

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2024.5.17(金)

根室駅(北海道)

 北海道根室市の根室駅。JR北海道の長大路線・根室本線の終点です。 私の訪問時には「(根室本線起点の)滝川駅から444K 339M」との表記があり、この看板の前でしみじみと"最果て感"を味わいました。その後、この春をもって台風被害によりバス代行が続いていた途中区間の富良野~新得駅間が廃止に。根室本線は、滝川~富良野駅間と新得~根室駅間に分断されることとなり、この看板も「滝川駅から~」の表記が抹消されてしまったそうです。 盛夏だったのですが、空気はひんやりとしていました。 こちらの看板の通り、現在の根室駅は日本最東端の"有人駅"です。"日本最東端の駅"となると、こちらは・・・ ひと駅戻った東根室駅(無人駅)です。列車の本数が少ないので、根室駅と東根室駅の双方を鉄道で訪れるには時間の余裕と工夫があるといいかもしれません。両駅間は歩けば20分ほど。どこまで"こだわる"かはそれぞれの自由といったところでしょう。 JR北海道の駅では、昔ながらのホーロー看板がいまも現役で頑張っています。先日の深井アナのブログにもありましたが、なんとも郷愁を誘うアイテムですね。 一度の訪問ではとても味わい尽くせぬ根室駅。再訪(と、時間の都合で食べ損ねた海鮮の満喫)を心に誓って帰りの列車に乗り込みました。 p.s. 納沙布岬にも行って参りました。 

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2024.4.24(水)

境港駅(鳥取県)

 鳥取県・境港市のJR 境港駅。米子駅から延びるJR境線の終着駅で、鳥取県最西端の駅でもあります。米子駅からの所要時間は、おおむね50分です。 境港市は水木しげる先生ゆかりの地ということで、境線は全駅に「妖怪の名前」が愛称として付けられています。街の玄関口である境港駅には、看板役者たる鬼太郎が鎮座していますね。 駅舎そのものは灯台をイメージしたようなデザインで思ったよりも ”妖怪色” は薄め。なのですが、一歩外に出ると・・・ あっ! おっ! むむっ!・・・参りました。駅周辺には多種多様な妖怪が跋扈(ばっこ)し、訪れた人々を歓迎してくれます。極め付きは・・・ 「妖怪にあえるまち」。その看板にまったく偽りがないことを確認しました。ちなみに・・・ 境線を走る車両にも、妖怪たちが 憑りついて 描かれています。遊び心にあふれ、乗車時間的にも ほどよい境線。定期的に乗りに行きたくなる路線です。 

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2024.3.14(木)

敦賀駅(福井県)

 福井県敦賀市のJR・敦賀駅。関西方面から見たときに北陸の入り口にあたる古くからの鉄道の要衝で、在来線の北陸本線と小浜線が乗り入れます。 寒冷地にある駅ということで駅の入り口にはしっかりと扉が設けられていますね。 北陸本線は名古屋・京都・大阪エリアから金沢方面を結ぶメインルート。古くから「特急街道」として知られ、いまでも大阪発着の ”サンダーバード”、名古屋・米原発着 ”しらさぎ” の両特急列車が高速で駆け抜けます。敦賀は、それらの大半が停車する拠点駅です。 そんな敦賀駅の運命が、大きく変わろうとしています。これまで東京~金沢間が開業していた北陸新幹線が、この春、敦賀まで延伸。当面、その終着駅の役目を担うこととなったのです。 延伸開業を間近に控えた先日。その試乗会に参加する僥倖を得まして、私、敦賀まで行って参りました。 手前の地上駅部分が現行の在来線ホーム。そして奥にそびえ立つ巨大な建造物の中にあるのが、北陸新幹線と、大阪・名古屋方面から接続する特急の新ホームです。その存在感から、鉄道ファン界隈では「敦賀要塞」という二つ名が付いた新しい駅舎。高さは37メートルもあり、おおよそ12階建てのビルに相当するのだそうです。3層構造で、3階部分が新幹線ホーム、2階がコンコース、1階が特急ホームとのこと。そんなおもしろい構造の駅舎、私は見たことがありません。これは行くしかない。 在来線のホームと改札をつなぐ跨線橋を通って、新ホームへと向かいます。 動く歩道が出現!(小さいころ、「歩く歩道」と呼んでいました。それはまあ、そうですよね笑) 続いて、大きなエスカレーターがあらわれた!この時点でちょっと ”要塞” 感、ありますね。そこを上がると・・・! 一瞬、舞踏会の会場かと思いました・・・。ここは3層建ての新駅舎で2階部分にあたるコンコース。新幹線(3階)と特急列車(1階)のホームを乗り継ぐ多くの人が行き交うことが想定されるため、これだけの広さになっているんですね。ちなみに、天井は北前船の帆をイメージしているそう。敦賀は水陸の交通の要衝。古くから北陸方面と京都を結ぶ水運の中継地として栄えました。当地の歴史にもさりげなく触れられる、おしゃれなデザインです。 大量のお客さんが効率よく動けるようにと設置された乗り換え用の自動改札機。ズラリと計19通路(!)もあるそうで、これを見ているだけでもワクワクしてきます。 在来線への乗り換え案内を見てみると、新幹線延伸と共に開業する第3セクター「ハピラインふくい」の表示が。その欄には、敦賀~金沢間の特急列車の情報が映し出されています。「ハピラインふくい」と「敦賀~金沢間の特急」はバトンタッチする形での開業/廃止ですから、この2つが同時に存在することはあり得ません。試乗会ならではのマニア心をくすぐるサービス(?)に、私もう、興奮のあまり・・・。 「表情に出るタイプだね」と言われ続けて30年が経ちました。さて、3階の新幹線ホームへと上がってみます。 まず目に飛び込んできたのは何といっても床面でした。おしゃれ。港町・敦賀らしく、船の甲板をイメージしたそうです。 この光景が当たり前になるのだと思うと胸が熱くなりました。北陸新幹線は最終的に新大阪まで開通することになっていますが、ルートの選定などが難航しており、当面はここ、敦賀が終点となります。鉄道で広島から金沢へ向かう時などは、ここ敦賀で新幹線へ乗り換えることになりますね。続いては、再びコンコースを経由して1階の特急列車発着ホームへ・・・。 (↑広告などのパネルがはめ込まれる部分ですね!) 打って変わって、特急ホームからは非常にあっさりとした印象を受けました。コンコース階には待合スペースもありますから、このホームで列車を待つお客さんは基本的にいないと考えてよいのでしょう。となると必要なのは、限られた乗り換え時間で間違わないように配慮された案内表示と多くのお客さんが効率よく上下移動できるよう整備された昇降手段です。 準備万端、整っているようですね。ここからいよいよ試乗会の様子を書こうと思っていたのですが、毎度のことながら かなりの長文になってしまいましたので、このあたりで・・・。 北陸新幹線の金沢~敦賀間延伸開業は、来たる3月16日です。 

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2024.2.29(木)

東武浅草駅(東京都)から

 東京都台東区の浅草駅。東武鉄道の本線格である伊勢崎線と日本最古の地下鉄・東京メトロ銀座線、さらには都営地下鉄浅草線が乗り入れる、下町屈指のターミナルです。それぞれの路線の駅紹介だけで長大な文章が書けるほどの歴史と品格を備えた駅ですが、今回は東武鉄道の駅にスポットを当て、便宜上「東武浅草駅」と呼びながら進めていきたいと思います。 こちらが東武浅草駅の駅舎です。開業は1931年。関東では初めての「本格的な百貨店を内包したターミナルビル」だったそうです。幾度かの改修を経てきましたが、十数年前の大規模な改装で、アールデコ様式だった開業当時の姿がよみがえりました。 開業史を紐解くと、関東の私鉄がいかにして都内のターミナルに拠点を構えようとしたのかという苦難の物語が浮かび上がってきます。”帝都東京” の近代史にも通ずる壮大なヒストリー、ご興味のある方はぜひ検索を・・・。 そんな東武浅草駅は3面4線(3本のホームに4本の線路)、頭端式(行き止まり)の構造です。3~5番ホームが特急列車用、1、2番ホームがそれ以外の一般列車用に振り分けられています。今回は5番ホームから、あこがれ続けていた とある列車に乗り込みました。 去年7月にデビューした東武鉄道の新しい特急列車「スペーシア X(エックス)」です。 思わず口を突いた「カッコイイ・・・」という凡庸なる我が感想。本邦私鉄でも指折りの老舗である東武鉄道が古のターミナル・浅草に満を持して送り込んだ最新鋭のフラッグシップは、タキシード仮面のように(←古い)ミステリアスでエレガント!私もう、興奮のあまり・・・。 駅員さんの「撮りますか?」というお言葉に甘えてしまいました・・・。同行した畏友(非鉄道ファン)からは「幸せそうだね」と微笑まれた次第です。閑話休題。東武浅草駅は立地の制約上、駅を出るとすぐに急カーブがあります。「駅を出ると」と言うよりも、駅構内からすでに曲がり始めている関係で、各ホームの先端付近の乗車口には「わたり板」が係員によって設置されます。それはダイヤ上では制約となっているファクトなのですが、私自身は、わたり板を踏むときに若干の特別感がありまして、毎度ドキドキするお気に入りスポットです。 さて、そうして(ようやく)車内へと入ります。登場から半年以上が経ってもプラチナチケットとなっているスペーシア Xの特急券ですが、今回は幸運にも「プレミアムシート」を確保することができました。 素晴らしい・・・。色合い(茶系)に東武鉄道のアイデンティティを示しつつも、洗練されたデザインの座席が並びます。 枕部分の幾何学模様は、沿線の名産品である鹿沼組子をイメージ。また、座席はリクライニングしても後ろへ干渉しないバックシェルスタイルです。 浅草を出るとすぐに渡る墨田川。東京のシンボルのひとつで、都民の心のよりどころでもあります。 液晶ディスプレイもとても見やすく、スタイリッシュです。加えて、これはどうやっても写真に収められなかったのですが、車内アナウンスの前にかかるオリジナルチャイムに惚れました。旅に出るときのワクワク感と、それが終わりに近づいた時の切なさが同居している洒脱なメロディ・・・。人生のどんなシチュエーションであっても寄り添ってくれる優しさを感じました。音鉄(アナウンス、駅/車内メロディ派)を自認していますが、エンドレス再生しながら休日を過ごしたくなる素敵な一曲です。 そうこうしていると、あっという間に栃木県の下今市。今回の下車駅です。下今市で降りた瞬間から、いや、”浅草で乗りこんだ瞬間から” また乗りたいと思える特別な列車でした。嗚呼、思い出して綴っているだけで、ウェルビーイングです。。。 (Xをかたどった窓もかっこいい!)

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2024.2.27(火)

千里中央駅(大阪府)

 大阪府豊中市の千里中央駅。北大阪急行電鉄・南北線(以下、北急線)と大阪モノレール・本線が乗り入れます。高度経済成長期に作られた千里ニュータウンの事実上の中心駅で、駅舎は駅ビル的な立ち位置である「せんちゅうパル」と一体化しています。 北急線のホームは地下駅ですが、改札階まで吹き抜けとなっている独特の構造です。何とも言えない浮遊感が味わえる不思議なスポットとなっています。 もともとは1970年の大阪万博の人員輸送手段として造られた北急線。開業までは紆余曲折あったものの、万博来場者の大量輸送の結果、その開催期間中の収入で建設費を償還できたということで、いまでも低廉な初乗り運賃(おとな100円)が設定されています。 さて、北急線は大都市・大阪の大動脈である大阪メトロ御堂筋線と一体運用されているため、列車の行き先として「千里中央」を見た経験のある方も多いかと思います。「なんばや梅田といった大阪都心部から新大阪へ向かうために乗るのは 千里中央行きか新大阪行き。中津行きは新大阪まで行かないのでガックリ」・・・という、中川家さんが広めた鉄道ギャグの定番(?)ネタがありますが、それも今は昔。一時期に比べて中津行きが大幅に削減され、新大阪まで行く列車が増えました。新幹線利用者からすると、うれしい変化ですね。 (中央なのか?北なのか?)さて、そうして長らく「大動脈の終着駅」としての地位を守ってきた千里中央駅ですが、この春、状況が一変することになりました。 北急線の延伸です。千里中央駅から箕面萱野(みのお かやの)駅までの2.5キロが、来たる3月23日に開業します。定時性が高く、大阪都心まで一本でつながる北急線が交通量の多い大阪・北摂(ほくせつ)エリアで伸びることには大きな意義がありますね。途中には箕面船場阪大前(みのおせんば はんだいまえ)駅も設けられ大学生にとっても便利になります。(大阪大学出身の梶谷アナが「私の在学中に延伸していれば・・・」と嘆いていました) これに伴い、途中駅となる千里中央止まりの列車はどれほど残るのだろうかと話題になっていましたが、なんと、延伸開業後、定期運行される列車からは「千里中央行き」が消滅することが明らかになりました。いままで日常の光景だった・・・ こういった表示が、もう見られなくなるのですね。現時点では(延伸まであと1か月しかないのですが)、寂しいというよりもまだあまり現実味が沸かない、というのが個人的な感想です。 (御堂筋線の駅構内では、案内板の更新がすでに行われていました)終着駅という立ち位置ではなくなりますが、伊丹空港へも、新大阪へも、大阪を代表するビジネス街/繁華街である「キタ」・「ミナミ」へも一本で行けるという府内屈指の好立地が揺らぐことはありません。 箕面萱野方面へ続くピカピカの鉄路。あとは1か月後の延伸開業を待つばかりですね。ますます便利になる北急線と、新たなスタートを切る千里中央駅の未来に大いに注目していきたいと思います。

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2024.2.21(水)

諫早駅(長崎県)

 長崎県の諫早(いさはや)駅。長崎県第3の都市である諫早市の中心駅で、おととし9月に部分開業した西九州新幹線と在来線の長崎本線、大村線、さらには島原鉄道線が乗り入れる県内有数のターミナルです。 新幹線のホームは極めてシンプルな2面2線(2つのホームに挟まれる形で線路が2本)構造でこれは部分開業に合わせて作られた他の2駅(新大村、嬉野温泉)と基本的に同じ造り。ただ、諫早駅がユニークなのは、新幹線ホームがほぼ地平と同じ高さにあることです。新幹線駅は高架のイメージが強いですから、ちょっと新鮮に感じます。(同じ九州を走る九州新幹線では、鹿児島県の川内駅も地上駅だったと記憶しています)長崎駅までは一駅、10分弱で到達します。反対側の新大村駅は、新幹線開業に合わせて設けられた新駅ですね。 長崎以西への新幹線延伸計画はありませんので、下りホームの案内は長崎「方面」ではなく長崎「行」となっていますね。こういった細かな表現の違い、大好きです。 

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2024.2.15(木)

会津若松駅(福島県)

 福島県会津若松市のJR 会津若松駅です。福島県の拠点駅のひとつ 郡山駅と新潟市内第2のターミナルである 新津駅を結ぶ長大路線・磐越西線(ばんえつさいせん)。そして、この駅と新潟県の豪雪地帯に位置する小出駅とをつなぐ絶景路線・只見線(ただみせん)の2路線が乗り入れるターミナル駅です。 悲運の白虎隊士で有名な会津藩の本拠地で、東北地方でも指折りの観光地としても知られています。 磐越西線は県をまたぐ長い路線ですが、区間ごとにかなりの需要の差があります。この路線に限ったことではありませんが、各地のローカル線を支える通勤・通学の需要は、県境を越えると激減してしまうのです。それゆえ、当駅を境に同じ福島県内の郡山方面は電車が活躍していますが、反対側・新潟方面は、ほとんどが単行(1両)や2両編成の気動車による運行です。 おそらく2018年に撮った写真なのですが、左側の深緑のラッピングのキハ40(気動車)が只見線、右側の白地に黄緑があしらわれたキハ110(気動車)が磐越西線・新潟方面の運用でした。いまではキハ40、JR東日本の定期運用から引退しています。時代の流れを感じますね・・・。 

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2024.1.17(水)

穴水駅(石川県)

 石川県を走る のと鉄道七尾線の終着、穴水(あなみず)駅です。 (かつては国鉄路線でしたので、このホーロー看板をはじめ、そこここに名残が・・・) 県都・金沢からの所要時間は、途中まで特急も使っておよそ二時間といったところでしょうか。駅名票にあった「まいもんの里」の二つ名の通り、”まいもん” (美味しいもの)あふれる能登半島の代表駅のひとつです。 駅構内から七尾・金沢方面と反対の方向を眺めます。 しばらく線路が続いた後、途切れていることが確認いただけるかと思います。かつては輪島市の輪島駅、珠洲市の蛸島駅まで鉄路が続いていましたが、いずれも2000年代に廃止となりました。それからはこの穴水駅が、能登半島の ”先端” の鉄道駅となっています。 (駅構内には、かつてこの先の鉄路まで走っていた車両が留め置かれています)先日の能登地方を震源とする大地震により、この穴水駅と周辺、のと鉄道の設備も甚大な被害を受け、現在は全線で運転再開のめどすら立っていません。かつてこの地を訪れたものとして、ひとりの鉄道ファンとして、また近隣の福井県と新潟県に親類縁者を持つ人間として、もどかしい気持ちでいっぱいです。一刻も早い復興を祈りながら、自分にできることを探していきたいと思います。”まいもん”を頂きながら心の底から笑いあえる日が、また訪れますように。 

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プロフィール

出身地:東京都
誕生日:8月29日
血液型:不明

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