2024.02.29(木) 東武浅草駅(東京都)から
東京都台東区の浅草駅。
東武鉄道の本線格である伊勢崎線と
日本最古の地下鉄・東京メトロ銀座線、
さらには都営地下鉄浅草線が乗り入れる、
下町屈指のターミナルです。
それぞれの路線の駅紹介だけで長大な文章が書けるほどの
歴史と品格を備えた駅ですが、
今回は東武鉄道の駅にスポットを当て、
便宜上「東武浅草駅」と呼びながら進めていきたいと思います。
こちらが東武浅草駅の駅舎です。
開業は1931年。
関東では初めての「本格的な百貨店を内包したターミナルビル」だったそうです。
幾度かの改修を経てきましたが、
十数年前の大規模な改装で、アールデコ様式だった開業当時の姿がよみがえりました。
開業史を紐解くと、
関東の私鉄がいかにして都内のターミナルに拠点を構えようとしたのかという
苦難の物語が浮かび上がってきます。
”帝都東京” の近代史にも通ずる壮大なヒストリー、
ご興味のある方はぜひ検索を・・・。
そんな東武浅草駅は3面4線(3本のホームに4本の線路)、頭端式(行き止まり)の構造です。
3~5番ホームが特急列車用、1、2番ホームがそれ以外の一般列車用に振り分けられています。
今回は5番ホームから、あこがれ続けていた とある列車に乗り込みました。
去年7月にデビューした東武鉄道の新しい特急列車
「スペーシア X(エックス)」です。
思わず口を突いた「カッコイイ・・・」という凡庸なる我が感想。
本邦私鉄でも指折りの老舗である東武鉄道が
古のターミナル・浅草に満を持して送り込んだ最新鋭のフラッグシップは、
タキシード仮面のように(←古い)ミステリアスでエレガント!
私もう、興奮のあまり・・・。
駅員さんの「撮りますか?」というお言葉に甘えてしまいました・・・。
同行した畏友(非鉄道ファン)からは「幸せそうだね」と微笑まれた次第です。
閑話休題。
東武浅草駅は立地の制約上、駅を出るとすぐに急カーブがあります。
「駅を出ると」と言うよりも、
駅構内からすでに曲がり始めている関係で、
各ホームの先端付近の乗車口には「わたり板」が
係員によって設置されます。
それはダイヤ上では制約となっているファクトなのですが、
私自身は、わたり板を踏むときに若干の特別感がありまして、
毎度ドキドキするお気に入りスポットです。
さて、そうして(ようやく)車内へと入ります。
登場から半年以上が経っても
プラチナチケットとなっているスペーシア Xの特急券ですが、
今回は幸運にも「プレミアムシート」を確保することができました。
素晴らしい・・・。
色合い(茶系)に東武鉄道のアイデンティティを示しつつも、
洗練されたデザインの座席が並びます。
枕部分の幾何学模様は、沿線の名産品である鹿沼組子をイメージ。
また、座席はリクライニングしても後ろへ干渉しない
バックシェルスタイルです。
浅草を出るとすぐに渡る墨田川。
東京のシンボルのひとつで、都民の心のよりどころでもあります。
液晶ディスプレイもとても見やすく、スタイリッシュです。
加えて、これはどうやっても写真に収められなかったのですが、
車内アナウンスの前にかかるオリジナルチャイムに惚れました。
旅に出るときのワクワク感と、
それが終わりに近づいた時の切なさが同居している洒脱なメロディ・・・。
人生のどんなシチュエーションであっても寄り添ってくれる優しさを感じました。
音鉄(アナウンス、駅/車内メロディ派)を自認していますが、
エンドレス再生しながら休日を過ごしたくなる素敵な一曲です。
そうこうしていると、あっという間に栃木県の下今市。今回の下車駅です。
下今市で降りた瞬間から、いや、
”浅草で乗りこんだ瞬間から” また乗りたいと思える特別な列車でした。
嗚呼、思い出して綴っているだけで、ウェルビーイングです。。。
(Xをかたどった窓もかっこいい!)
出身地:東京都
誕生日:8月29日
血液型:不明