#29 フランス人の女性・モルガン 日本のもったいない文化を学ぶ!
前回、井仁の棚田で米作りを学んだモルガン。稲刈りや、昔の道具を使った脱穀、羽釜でご飯を炊くなど、なにもかもが初体験でした。今回は刈った稲を使ったり、田んぼを利用した日本の色々な文化を教わりました。
まずは、ワラを編みこんで作る日本の伝統の履物「わらじ」を地元のおじい様方と一緒に制作体験!ワラを組み合わせて縄をつくるんですが、この作業がむずかしく、意外と重労働。ワラを編むなんて初めてで苦戦するモルガンに先輩方は優しく教えてくれました。作業開始からおよそ2時間。お手製わらじの完成です。履いてみるとやわらかくて気持ちよく、走っても丈夫だということを知ったモルガンはスキップをしたりウキウキな様子。その昔、武士や農民たちが履いていたわらじは、履いていると隙間に土が入り込み、それで強度が増していくことから、とても重宝されたそうです。そして、お米が実った稲から生まれた工夫はわらじだけではなく、お米の皮(ぬか)にもちゃんとした利用法がありました。その利用法を教えてくれるのも地元のお母様。そのお宅へお邪魔すると、台所に置いてあったのは日本の伝統食である漬物を付ける為の「ぬか床」。お米の皮(ぬか)に水を加えて混ぜ合わせ、発酵させることで、漬け物を漬けるぬか床ができるんです。早速モルガンもぬか床で熟成中の漬物を取り出すんですが…初めての感触にちょっと興奮気味。「宝探しみたい~!」とウキウキしながら取り出した、にんじん、大根、かぶなどの漬物の味にも大感動です。そして、最近の若者はこの匂いを嫌い、自分たちで漬物を漬けなくなったと聞かされたモルガン。さらに、若者の田舎離れからこの井仁の棚田の後継者がおらず、荒れて行く田んぼを見て「もったいない…」とひと言。そんな悩みを抱える地元の方々が棚田を守るために休耕田で始めた高級魚、ホンモロコの養殖。そのホンモロコを捕獲するため初めて素足で田んぼへと入ったモルガンは、ぬるぬるの足場に悪戦苦闘しながらも見事捕獲成功!
全長数センチで1匹100円もする高級魚の素焼きやから揚げをおいしくいただきました。昔から日本に伝わるもったいないという精神と伝統を守っていくための苦労を身に染みて感じたモルガンはいつか自分もこんな田舎で暮らしたいと強く感じていたようです。