#79 メキシコ人 広島カキを食い尽くす!
今回の行きたがリーノさんはメキシコ出身のオマルさん。メキシコはタコスやプロレスが有名なアメリカの南に位置します。美術講師として活動していたオマルさんは、さらなる芸術活動のために5年前に来日した際、様々な日本文化を体験し、特に日本食への関心が高まったそうです。
そんなメキシコ人オマルさんは、一番好きな日本食、広島カキを食べつくしたい!と行きたがリーノにやってきてくれました。外国人の行きたい場所へと連れて行ってくれる行きたがリーノ号は、呉市の倉橋島にある広島県水産海洋技術センターに到着しました。大きなこちらの施設では、美味しいカキになる前の小さなカキを研究している新種カキの開発や、様々な海域の水質調査、効率的な養殖方法など、広島カキの研究が日々進められているんです。ふだんあまり見ることのないカキの姿にオマルさんも興味津々! 実際の海で研究している広島カキも見せてもらいました。広島カキの養殖は室町時代末期から始まったと言われていて、昔は石や竹に付着させてカキを育てていたそうです。時代と共に養殖方法が改良され生産量も増え、いまでは全国に誇る広島名物へと成長したのです。牡蠣についてたくさん勉強できたのですが、牡蠣の研究をしているため、食用の品はこには無いとのこと。どうしても、おいしい広島カキが食べたい2人は、島の水産会社「浜水産」へ向かいました。ここ浜水産の牡蠣は「かき小町」と呼ばれ、味や形がより良くなるように育てるなど、こだわりをもってつくられているんです。その結果、県内では9社しか選ばれていない、プレミアムトップカキの称号を獲得しています。作業中のお母さんに念願の生牡蠣を食べさせてもらい、すっかり味の虜になったオマルさんと柴田はなんと殻付きを30個も購入しました。たくさん買ったカキ、どこでどう調理しようか考えながら歩いていると、横を一台の車が通りかかり、二人に気づいていただいた男性は車を止めてくれました。その男性は島にお住いの安藤さん。二人が安藤さんに相談すると、なんとご自宅で買いたてのカキを使って料理をしてくださる!との事。いやー、ラッキーですね!すぐに二人は同乗させてもらったのですが、安藤さんはオマルさんにぜひ食べてもらいたいカキの加工品があるそうで、島で有名な水産会社へちょっと寄り道。メキシコ人の突然の訪問で会社の方もビックリな様子でしたが、快く応じてくれました。こちらの生産会社で作られているこだわり満載のカキの加工品を試食させてもらいました。蒸しカキを軽く炙り香り豊かに仕上げ、それをオイル漬けにするという手間暇かかった商品に、大粒のカキを厳選し燻製した品など、独自の技術で完成させた知る人ぞ知るカキの加工品です。オマルさんは初めて食べた加工品のおいしさに驚いていました。さらにその加工品はお土産にと頂くことができ、オマルさんのテンションはまた上がりました。それではいよいよ水産会社を後に、安藤さんのご自宅へと向かいます。到着し案内されたのは海に面した素敵なご自宅。実は安藤さん、セカンドハウス兼海の家として活用中で、海を見ながらお風呂や料理が楽しめるのがここの自慢なんです。早速、海の見えるキッチンで料理を作っていきます!野菜がたっぷり入った鍋に、購入したカキを贅沢に入れ、味噌を溶かした「カキの味噌鍋」を安藤さんに教えてもらいながらオマルさんが作りました。一方柴田さんは、殻付きカキを調理中。するとオマルさん、ご家庭でも簡単に出来ちゃうカキを使ったメキシコ料理を披露してくれましたよ。メキシコの主食トルティーヤの上にアボカド、トマト、玉ネギ、そして、カキのオイル漬けをたっぷりと乗せ、タバスコやマヨネーズ、オリーブオイルにレモン果汁で味付けし、パクチーを添えた広島カキのメキシコ料理、「トスターダス」。
完成した料理は海を見ながらいただきます!焼き牡蠣はスダチを絞って頂きました。メキシコ料理、トスターダスは広島カキと相性抜群!カキの味噌鍋も体が温まり大成功でした。
瀬戸内海が生んだ海の魅力にオマルさんも大満足してくれたようです。見た事もない広島カキの養殖現場で小さなカキと出会い、水産会社では巨大なカキ小町をペロリ!美味しい広島カキを使った初めての鍋料理も堪能!歴史に文化、美味しさへのこだわりなど、新しく分かった広島カキにオマルさん、感謝の気持ちで一杯でした。