#198 包丁でおもてなし
今回の行きたがリーノさんはアメリカ出身のサウザーさん。サウザーさんが日本でやってみたい事は、刃物のプロに包丁の研ぎ方を学ぶこと! ということで今回は、和の心を持つサウザーさんを日本の食文化を支える和包丁でおもてなし!
最初に向かった場所は「刃物の大喜」。全国の一流鍛冶屋が手掛ける包丁を取り扱うお店で、それを求めて多くの方が訪れる知る人ぞ知るお店なんです。早速包丁のプロにサウザーさんのお気に入りの包丁を評価してもらいました。毎日手入れしているだけあって、私たちが見ると切れ味は良さそうですが、店主、原戸さんの目は厳しい! 「包丁自体は良いのだけど、研ぎが悪いので切れない。」とのことでした。そこで原戸さんオススメの極上の包丁を見せて頂きました! それは、高知の「土佐包丁」。鋼の中でも最も固い青紙スーパーという鋼を使用していますが、使う人に硬いと感じさせない職人さんの珠玉の一本なんです! 研ぐのも楽で、刃こぼれしにくい。プロが日本一の包丁と認める所以です! 早速プロの研ぎ方を見せてもらう事に。包丁を研ぐための砥石には3種類あり、刃が欠けた時に使う荒砥石、日々のメンテナンスで使う中砥石、より切れ味を鋭くする仕上げ砥石があり、仕上げに大きな変化が出ます! サウザーさんもいつもやっているように包丁を研いでみると…原戸さんから「包丁を研ぐときの角度は2度!」と指摘が。だんだんと“らしく”なっていくサウザーさんを見て、原戸さんも嬉しそうでした。そして、仕上げは特別な砥石で研いで頂きました! 研ぎ終わった包丁を見てサウザーさん本当に嬉しそうでした。元々日本で生ものが多い理由は、先人達の中で生食文化が根付き、包丁が発達したからだと言われているんです。そうした先人達の努力があったからこそ今私たちが美味しく食材を頂けているんですね。
歴史も少し振り返ったところで、続いて向かったのは瀬戸内や全国から厳選した食材を使った和食の名店「お竈突」。ここでは料理人が魅せる「飾り包丁」を見せてもらう事に。プロの技にかかれば普通のキュウリがあっという間にアートに大変身!キャリア20年の技が生む包丁テクニック。毎日の手入れを欠かさないからこそできるプロの包丁さばきですね。プロの技にサウザーさんも驚きの様子でした。次に包丁の切れ味をチェックすることに。サウザーさんにも体験して頂きました! そして包丁の切れ味で味に違いは出るのか、料理長の包丁と市販の包丁で切り口の断面に変化の出やすいお刺身を切って、食べ比べをしました。目の前に出された2つのお刺身。実際に見比べてみると…一目瞭然! 断面がキレイだとお醤油の入り方、舌触り、食感が良くなり、より美味しくなるんです。やはり包丁の切れ味が重要という事なんですね。
後日、サウザーさんのお宅にお邪魔してみると、とても楽しそうに料理を作るサウザーさん。新しい家族が増えたとお気に入りの棚にプレゼントした包丁を飾ってくれていました! プロに教わった事もあり、刃物に対する情熱はさらに燃え上がったみたいでした!