2011年10月度 TSS番組審議会報告
とき:2011年10月19日(水)午前11時
ところ:TSS本社会議室
報告事項
審議に先立ち、稲垣宏編成局長より7~9月度番組種別放送時間実績、事務局より9月度視聴者対応状況やBPO(放送倫理・番組向上機構)の活動状況についての報告があった。
審議
『アフィニス夏の音楽祭・演奏家と舞台裏に密着した7日間』
<9月23日(金・祝)午後2時5分放送>
委員からは
- クラシックに興味がある人や演奏経験がある人にとっては楽しい番組だと思うが、それ以外の人には入りにくかったのでは
- 音楽祭のことを知らなかったので、交流・研鑽の場なのか、指導の場なのか、イベントの位置づけが分からなかった
- 海外から招いた演奏家は一流ということだが、ファンでなければ知らない。プロフィールの紹介や実際の演奏などで表現して欲しかった
- 2人の人物を時系列に沿って交互に取り上げた構成は、2年前のアフィニス番組より分かりやすかった
- フルート奏者の中村さんは、親しみやすいキャラクターで、本音の部分や普段通りの姿が良く出ていた
- 中村さんの存在によって、番組全体が明るくなっていた
- 中村さんがドイツ留学での挫折を乗り越え再起する話は、胸にグッと来た
- バラエティ要素を盛り込もうとしたのか、番組最後の中村さんのコメント “ビールが飲みたい”には違和感を覚えた
- 中村さんという素晴らしいキャラクターがあってこそ、この番組は成功した。番組最後の“ビールが飲みたい”には共感した
- 芸術家肌の中村さんのコメントに対しては、誤解のないよう的確なフォローやナレーションによる説明が必要だったのでは
- ステージマネージャーの荻原さんの働きぶりから、大小様々な編成の演奏が混在するこの音楽祭を成立させることの大変さが伝わってきた
- ギッと音がしたと言って椅子を替えたり、演奏者に譜面台を動かされたら反省しなければいけないと若い人に教えたり、荻原さんの言動には面白いエピソードが多々あった
- 荻原さんはこの番組を引き締める役割だったと思うが、物語が中村さんと交差していなかった
- 荻原さんを取り上げるのなら、アフィニスではなく、むしろ広島交響楽団での普段の仕事ぶりを見せた方が良いのでは
- 最終日の演奏が初日に比べてどう変わりどう良くなったのか、分らなかった。視聴者にも分かるよう工夫が欲しい
- 演奏会に向けてアンサンブルをどう作り上げていくかというプロセスを見せる番組だったと思うが、それが見えてこなかった
などのコメントが寄せられた。
これらの感想や意見を受けて、ディレクターの木元真紗与は、
- 出演者の人選にはこだわった
- クラシックの演奏者に心を開いてもらうのは難しい面があるが、中村さんのように人に好かれやすいタイプの人に出会えたのは良かった
- 荻原さんは上司でいて欲しいような、人間的に広がりのある人でした
などとコメントし、活発に意見を交換した。
- <出席委員>
- 松浦雄一郎委員長・大野徹副委員長・山田知子委員・池田明子委員・徳永修委員・村上栄一委員・荒木史子委員・大下洋嗣委員(順不同)