株式会社ファームスズキ(広島県)
牡蠣の国内生産量の6割を占める広島県。その広島で従来の牡蠣作りとは全く別のスタイルで養殖を行う、株式会社ファームスズキが登場します。カンパニーが出荷するのは主に海外。海外では形のそろった小ぶりの牡蠣を殻つきのまま、生で食べるスタイルが主流。広島の牡蠣で世界への展開を目指したカンパニー。ところが自信をもって輸出した牡蠣が世界中から大クレーム!一体なぜ?そこには日本と海外との牡蠣の食べ方に対する大きな違いがあったのです。そこからカンパニーの世界進出、第2弾がスタート。従来の養殖とは違う方法で海外の人に美味しく食べてもらえる牡蠣の養殖に成功します。果たしてその方法とは?また、カンパニーが作り出した世界に通用する牡蠣とは一体?今回は生の殻付き牡蠣で世界へ羽ばたく異色牡蠣カンパニーのそ~だったのかに迫ります。
全国でも珍しい塩田の跡地でカキの養殖を行うカンパニー。その販売先は、ロシアや中国などの海外が7割を占めているんです。海外ではオイスターバーなどで提供される殻の大きさ・身入りが均等な生の殻付きカキが主流。そのため、カンパニーでは海でいかだに吊すのではなく、池でカゴに入れてカキを1粒ずつ育てているんです。塩田跡の池は水深が浅く、日光がよく届きます。そのことでカキのエサとなるプランクトンがよく繁殖し、海で育ったものとは異なる、甘くてまろやかな味わいのカキができるのです。さらに、カキと同じ池でクルマエビの養殖を行っています。車エビのエサや排泄物により水中プランクトンが繁殖。それがカキの良質なエサとなっているんです。
カンパニーが新たに始めた、冷凍カキの製造販売。カキは11月から3月までしか収穫できないため、通年、生カキを食べることができません。そこで、養殖場のすぐ隣に加工場をつくり、新鮮なカキを冷凍加工することにしたのです。マイナス30度のアルコール溶液で瞬間冷凍することで、ムラがなく組織も壊すことがないといいます。基本的に解凍方法さえ間違わなければ、産地の鮮度のまま、うま味を閉じ込め、限りなくフレッシュに近い状態で提供できるのです。さらにカンパニーでは、冷凍カキをもっと手軽に食べられるよう、自動販売機を製作中!カキの自動販売機が世界中に広がる日は、そう遠くないのかもしれません。