永和国土環境 株式会社(広島県)
今回は、広島県福山市で画期的なトイレシステムで新たな市場を開拓したカンパニー「永和国土環境株式会社」が登場。
1982年創業のカンパニーは全国の公園設計や測量などを行ってきました。そんな公園設計の中で気づいたのが、生活用水の流れ込みによって生じる「池の汚れ」でした。これを改善するため相談した大学教授から提案されたのが「カキ殻で生活用水を浄化する」ことでした。そこでカンパニーが考えたのが、この仕組みを使えば、キレイになった水を再びトイレに使うことができるのではないか。試行錯誤を繰り返し1993年「カキ殻を使った画期的なトイレシステム」が完成。今では富士山やスリランカの世界文化遺産「ポロンナルワ遺跡」にも使われているトイレシステムの、そ~だったのかに迫ります!
水道が通っていない場所でも清潔な水洗トイレが設置できるトイレシステムを生み出したカンパニー。そんな画期的なシステムを可能にしたのは、なんと「牡蠣殻」。トイレの水をイワナやヤマメの住む清流レベルにまで浄化できるんです。この牡蠣殻を使ったトイレシステム、まずはトイレで使われた水を浄化槽で水分と固形物に分けます。その後、水分は牡蠣殻の入った水槽で牡蠣殻から溶け出したアルカリ成分で中和され、酸性から中性に変化することで、微生物が活発に働く環境となり、水中に残った汚れを食べてくれるのです。さらに、着色汚れは浄水器と同じ活性炭でろ過。1週間かけてこのシステムを通った水は、再びトイレへと循環されていくのです。このシステムは富士山山頂にも設置され、世界遺産登録の一助にもなったと言われています。
画期的な水洗トイレシステムを生みだした事で、世界遺産・富士山などの環境も守ってきたカンパニー。そこから「海外で環境を守りたい」という目標が芽生えました。そこで、大きな需要が見込めると目をつけたのが、南アジア。上下水道が整備されていない地域も多く、環境の改善にも役立つことができると考えたのです。設置を目指した場所は、スリランカの世界遺産・ポロンナルワ遺跡。実は、現地にあるトイレからは汚水が溢れ出し、地下遺跡や河川を汚してしまうという問題を抱えていたのです。2020年1月から始まった設置作業、新型コロナウィルスの影響で工事は大幅に遅れていますが、カンパニーが生み出したトイレシステムは国の大切な文化を守ることにも繋がっています。