株式会社 三宅(広島県)
今回は、広島県広島市の防犯用セキュリティゲート業界でトップクラスを誇るカンパニー「株式会社 三宅」が登場!大正時代に製針業として創業したカンパニー。戦後、業界の先行きに不安を覚え、印刷業へ転換。さらに平成に入り、お客さんの要望からセキュリティ事業へ。最初は代理店として防犯ゲートや防犯ラベルタグを販売していましたが、製針業で培った針に穴をあける技術を活用した独自の製法を応用し、自社で防犯ラベルタグを製造。世界中で特許も取得し、世界に「三宅」の名を知らしめるようになりました。今回は自社技術を生かして事業転換を繰り返してきたカンパニーの、そ~だったのかに迫ります。
万引き防止用の防犯ラベルタグの国内シェアトップクラスを誇るカンパニー。1917年に縫い針の製造業として創業し、海外に輸出していました。しかし、戦後、海外製の安い針が増え、業界の先行きに不安を覚えたカンパニーは、印刷業への事業転換を決断。値札用のピンで取引のあったアパレル業界のラベルやタグなどを専門とした特殊印刷を始めました。さらに、取引先から「万引きが増えて困っている」との声を受け、防犯ラベルタグを使ったセキュリティ事業を開始。当初は海外製の製品を販売する代理店を行っていましたが、メーカーの事業撤退を受け、自社で防犯ラベルタグを開発することに。針をつくるときに培った金属を打ち抜く技術を応用した製法を開発し、世界23カ国で特許を取得したのです。
化粧品などの小さな商品に貼れる小型の防犯ラベルタグを開発するために、三宅社長が訪れたのは、呉工業高等専門学校。ここで、技術指導を依頼した黒木先生との出会いが、新たな事業につながりました。その事業とは防犯ラベルタグを利用した災害予知の研究。カンパニーの防犯ラベルタグを土の中に埋めて、そこにラジオの電波を受信させ、その信号レベルの大きさから土の中の水分量の変化を計測して、土砂災害の早期予知を行うというもの。これまで様々な事業転換を繰り返してきたカンパニー。数年後には、新たな事業が始まっているのかもしれません。