岩瀬商店 株式会社(広島県)
今回は、広島県福山市の染料カンパニー「岩瀬商店株式会社」が登場。
大正5年備後絣の染めに必要な藍などの染料販売業で創業しましたが、近年の繊維業縮小の波で繊維以外の素材の染料や個人向け商品の開発など様々な「染め」に関するビジネスに挑戦してきました。会社のモットーはズバリ「なんでも染めます!」長年培ってきた技術で調合できる色の数は約10万通り以上!さらに今では地元の繊維業13社と協力して、お坊さんの服や小物をオシャレにした「お坊さんブランド」を立ち上げました。今回は「染め」を広めるために何でもやっちゃう染料カンパニーのそ~だったのかに迫ります!
衣類や糸などを染めるための染料を仕入れて染色業者に販売している卸売カンパニー。大手繊維メーカーの海外進出で受注数が減少する中、染色にはまだまだ可能性があると、カンパニーが掲げたのは「なんでも染めます」。すると、樹脂メーカーから模型飛行機の部品、テーマパークから長さ100mの巨大なロープ、さらにサングラスのレンズのフイルムなど、本業以外の依頼が年間1200件。そんな中、北広島町の刀鍛冶から、国の重要文化財の刀を復元するため、刀を腰に巻く革ひもを藍染めしてほしいと依頼がきたのです。岩瀬さんが最も悩んだのは、いかに古びた雰囲気を出すかということ。そこで、藍染めした革ひもをザクロの染料に浸けることで、黄色っぽい茶色に染めたのです。この仕上がりには、依頼者も大満足。この刀は今年の夏、完全復元予定とのことです。
カンパニーが9年前に立ち上げたのは、お坊さんも一般の人も着用できる洋服や小物のブランド「bon.」。きっかけは、地元のお坊さんから、白い絡子(衣装)を染め替えてほしいという依頼でした。それをカンパニーは黄色に染めて大評判!その後、「他にもオシャレなものがほしい」という要望が増えていったのです。そこで、繊維の町・福山の産業も盛り上げることができればと、13社に声をかけ、2012年にブランドを立ち上げたのです。数珠などの小物を入れる頭陀袋や作務衣、さらに、ポンチョならぬ「ボンチョ」。これらのオシャレなアイテムは、お寺に関心を持ってもらうきっかけにもなっているんです。