丸栄 株式会社(広島県)
今回は、広島県広島市でカキ殻の肥料を全国に先駆けてつくったカンパニー「丸栄 株式会社」が登場。
精米・製粉所として創業したカンパニーは、創業から3年後、広島県の担当者からカキ殻を再利用できないかとの相談を受け、開発したのがカキ殻を使ったニワトリのエサでした。その製造過程でのある悩みが、カキ殻の肥料開発に繋がったのです。そして1967年に販売開始したカキ殻を使った肥料は、全国的にも珍しく人気となったのですが、実は広島県内では販売に苦戦したといいます。その理由とは?さらに、広島のカキ養殖産業を守るためにある事業にも取り組むカンパニーの、そ~だったのかに迫ります!
廃棄される貝殻を使って様々な商品をつくっているカンパニー。創業時、米ぬかなどを使ったニワトリのエサを製造していましたが、広島県からカキ殻を再利用できないかとの相談を受け、カキ殻を使ったニワトリのエサを開発しました。さらに、ニワトリのエサをつくる時に出る粉末を何かに使えないかと開発したのが、カキ殻の肥料だったのです。しかも、カキ殻の肥料は即効性のある石灰岩などの肥料に比べて、ゆっくりと効き、長持ちするため、生育障害などの失敗が起きにくいというメリットがあったのです。1967年の発売以来、カキの栄養豊富なイメージと作物にやさしい肥料ということで全国的に人気となり、発売から50年経った今でも、ロングセラー商品として評判になっているのです。
現在、北海道から年に10回、8500トンのホタテの貝殻を仕入れているカンパニー。2年前に5億5千万円かけて最新式の機械を導入し、一日に43万枚のホタテの貝殻にレーザーで穴をあけ、カキの種付けに使うホタテの貝殻を加工しています。そのきっかけは、もともとホタテの貝殻を加工していた東北地方の業者の高齢化による減少でした。そうなると、将来、広島県のカキの生産量も減少して、カンパニーがカキ殻を確保することが難しくなると考え、ホタテの貝殻の加工を始めたのです。ホタテの貝殻の加工はカンパニーの事業を支えるだけでなく、カキ養殖業者を助けることにもつながっているのです。