株式会社 敷信村農吉(しのうむらのうきち)(広島県)
今回は、広島県庄原市で統廃合される保育所を地域の人たちで運営しようと立ち上げたカンパニー「株式会社 敷信村農吉」が登場。幼児期の教育に農業を取り入れたことがきっかけで、地域の野菜も販売することに。また、この地域が日本の酪農政策誕生の地であったことから、地元の牛乳を使ったチーズ作りをはじめ品評会でも金賞を受賞。地域の人たちと一緒に歩む、ちょっと変わったカンパニーの取り組みの、そ~だったのかに迫ります!
保育所の運営・野菜の卸売り・チーズ製造を行っているカンパニー。2006年に創業し、その翌年から保育所の運営を始めました。カンパニーの保育所では、教育のために園庭にある野菜畑で、子供たちも一緒に野菜を育てているのです。自分たちが食べるものはできるだけ自分たちで育てるという自給自足を方針に掲げ、給食用のお米も地域の人に協力してもらいながら、田植えや収穫作業を子供たちが行い、自分たちで賄っているのです。保育に農業を取り入れることは、自分たちが食べるものがどのように育っているのかを知ることができ、子供たちが自分で考えて行動できるようになってほしいという狙いがあるのです。
子供たちが育てたお米と野菜で賄っている保育所の給食ですが、足りない食材は地元の農家から買い取って給食に使っています。13年前、「農業しても食べていけない」という農家からの相談で、野菜の卸売り事業を立ち上げました。広島市内の高級食材スーパーとの取引が決まったことをきっかけに都市部での取引先が少しずつ広がっていき、野菜の取引量も増加。しかし、今度は販売する野菜が足りなくなったのです。そこで、カンパニーと似た仕組みで地域から集めた野菜を都市部で販売する「まごやさい」と共同で事業を行なうことで、安定した野菜の確保に成功。カンパニーの野菜の卸売り事業は、今では地元の農家から評判となっているのです。