フマキラー株式会社 開発本部(広島県)
今回は、広島県廿日市市に開発拠点を置く殺虫剤トップメーカー「フマキラー株式会社」が登場。明治7年、元々広島で薬種商「大下回春堂」としてスタートしたカンパニーは、昭和37年「フマキラー」と社名を変更。「フマキラーA」や電気蚊取り「ベープ」など数々のヒット商品を生み出してきました。日々進化を続ける殺虫剤業界の中で、カンパニーの一番の特徴は「キャップとノズル」。実はカンパニーは業界でも珍しく自社で金型からプラスチックまで製造することができ、昭和40年以降は商品のキャップやノズル製造を全て自社で行っているのです。今回はいや~な虫から人々を守る殺虫剤カンパニーの、そ~だったのか!に迫ります!
国内トップクラスの販売数を誇る殺虫剤メーカー。明治7年に広島県で薬の製造販売として創業し、フマキラーと社名を変更後、大正9年に世界初の液体殺虫剤「強力フマキラー液」を発売しました。カンパニーの殺虫剤の礎となったのが、昭和38年に発売した電気蚊取りベープ。開発の際、ベープの仕組みが他社へ漏れないようにするため、金型からプラスチック部品までを自社で製造することにしたのです。これをきっかけに、プラスチック製のキャップやノズルの製造をすべて自社で行うことにしたカンパニーは、その形状にこだわっていったのです。一般的な殺虫剤は対象となる虫ごとに中身の成分は違うものの、キャップやノズルは同じモノを使うことがほとんど。しかし、カンパニーは形状にこだわることで、最適な噴射方法を独自に生み出しているのです。
カンパニーが創業以来、取り組んでいるのが、虫の捕獲活動。実は地元・廿日市市で、平成5年、カンパニーの研究員が南米に生息するアルゼンチンアリを日本で初めて発見したのです。農作物にも被害を及ぼすことで、特定外来生物にも指定されたアルゼンチンアリの生息域は、その後、西日本に拡大。カンパニーはアリを捕獲し、その生態を研究。平成18年に日本初となるアルゼンチンアリ専用の殺虫剤を誕生させました。そして、さらなる被害を防ぐために全国の自治体と協力して、生態と対策を知ってもらうための勉強会を開催し、地域住民への協力を呼びかけているのです。殺虫剤をつくるというカンパニーの仕事は、日本の生態系を守ることにも繋がっているのです。