株式会社 高山清(広島県)
今回は、広島県広島市で創業100年を超える広島仏壇の製造・卸・小売を行うカンパニー「高山清」が登場!漆を塗る塗師としてだけではなく、漆器をつくる漆芸家としても活動の幅を広げる。そんな中、新たな芸術品として作ったのが「漆箔木(しつはくぼく)」。なんと漆と盆栽が奇跡のコラボを果たしたという謎のオブジェ。実はこれ、友人のためを思って創作したものだった!今回は伝統を守りつつ新たな挑戦を続ける仏壇カンパニーの、そ~だったのかに迫る!
広島仏壇の製造・販売を行っているカンパニーがつくった謎のオブジェ。これは、カンパニーで唯一の漆塗り職人である専務の尚也さんが手がけた、漆と盆栽のコラボレーション「漆箔木(しつはくぼく)」。きっかけは、尚也さんの友人の亡くなった祖父が大切にしていた盆栽でした。これを何とかしたいと思っていたところ、以前、仕事をした盆栽職人から「枯れ果てた盆栽でも漆でコーティングをすれば、形を残すことができるのでは」という提案を受けたのです。実は漆には、塗り固めることで酸化を防ぐ力があるのです。しかし、尚也さんにとって盆栽に漆を塗るのは初めてのこと。仏壇などに使われる平な板とは違い、凹凸の激しい盆栽に漆を塗り込むのは至難の技。様々な漆を塗り試した結果、生漆で塗ると頑丈に保護できることを突き止めたのです。始めて3カ月後、ついに漆箔木が完成したのです。
漆箔木を多くの人に知ってもらおうと、初めて展示会を開いたカンパニー。会場には漆箔木だけではなく、漆器や盆栽など漆箔木に関わるものも一緒に展示されました。それぞれ購入することもできるのですが、漆箔木だけ値段がついていないのです。美術品としての価値がどれほどのものなのかわからないということで、美術に詳しい専門家に漆箔木を見ていただくことに。その評価は「動きのある木に漆でコーティングすることで時を止めた感じがする」「今まで見たことのない作品」と高評価を得たのです。