曙工芸 株式会社(広島県)
今回は、広島県福山市の桐箱カンパニー「曙工芸」が登場。「大切なモノを入れて保管する」日本伝統の桐箱。時代の変化と共に、需要が激減する中、カンパニーが作った「あるモノ」を保管する桐箱が大ヒット!
そこには職人経験はゼロ!稼業を継いだ女性社長ならでは常識にとらわれない斬新な発想があった!さらに、目指すは桐箱界のアマゾン!?桐箱業界では珍しい、様々なサイズの桐箱をストックしスピーディーに配送するシステムを構築したことで国内外から注文が急増!今回は日本の伝統に新たな風を吹き込む桐箱カンパニーのそ~だったのか!に迫ります。
福山市を拠点に桐箱を製造している「曙工芸」。近年、輸入材でつくられる桐箱が増えた影響で生産量も低下。そんな逆境の中、カンパニーはお母さんたちのニッチな要望に応えるため、桐箱で乳歯ケースをつくることにしたのです。当時、乳歯を入れるケースは種類が少なく、保存容器や袋に入れていた人がほとんどでした。子育て経験を持つ桑田社長は、大切な思い出となる乳歯をかわいいケースに入れて保存してほしいと考え、桐箱の形を従来の四角から丸型にすることに。さらに、ふたの表面にかわいいイラストの印刷と誕生石を付けられるサービスも。発売すると、子供を持つお母さんたちの口コミで人気となり、年間約2万個を売り上げる大ヒット商品となったのです。
カンパニーが「桐箱界のAmazon」を目指して始めたのは、数万個の桐箱を倉庫にストックする取り組み。大きさが5ミリ単位で異なり、種類はなんと400にものぼります。注文が入ると、その日のうちにデザインを印刷し、必要な加工を施して発送するのです。従来、桐箱製造は受注生産で、お客さんに商品が届くまで1カ月以上を要していました。しかし、ネット通販の普及に伴い「早く桐箱を届けてほしい」という声に応えるため、在庫を備えた倉庫を設け、いつでも発送できる体制を整えたのです。これまで業界ではあまりなかったスピード対応によって大企業からも依頼が来るように。さらに数年前から海外の依頼も増えているのです。