カイハラ 株式会社(広島県)
今回は、広島県福山市のデニム生地の製造カンパニー「カイハラ」が登場!
国内外300社と取引があるカンパニーは、デニム生地の国内シェアナンバー1!その強みは卓越した「開発力」。そんなカンパニーが11年もの歳月をかけて開発した新たなデニム、その名も「モンスターストレッチ」。
デニムの風合いを残しながら、これまで以上の伸縮性を持つ夢のデニムを開発。開発の背景にあったのは、過去に採用されなかった生地5000点を保管した「ボツネタ部屋」に。デニム業界に革新をもたらした「モンスターストレッチ」の開発秘話に迫る。
国内外のアパレルメーカーにデニム生地を供給し、トップシェアを誇る「カイハラ」。製造工程を自社で一貫して行っているデニム生地が評価され、国内シェアは70%以上。中でもトップ企業となった要因は、主に「染色」工程にありました。1893年、備後絣の製造元として創業したカンパニーでしたが、1960年代になると、絣の需要は急速に減少。絣に代わる新たな商品を模索していた時、その頃アメリカで人気を博していたジーンズに注目したのです。ジーンズの魅力の一つ「色落ち」を実現するため、当時アメリカで使用されていたロープ染色機の技術を採用。独自に機械の開発に取り組み、7カ月の試行錯誤の末、いち早く完成させました。これにより、国産デニム製造のパイオニアとなり、大量生産が可能に。ジーンズファッションブームと共に売り上げを伸ばしていったのです。
国内外約300社との取引を誇るカンパニーの強みは卓越した「開発力」。2008年から全く新しいデニム生地に力を入れていて、年間で驚異の800種類を開発しています。現在主流のデニムは、伸縮性を持ち動きやすい「ストレッチデニム」。しかし、横糸にゴム糸を使用するため、伝統的なデニム特有の風合いを出すことが難しかったのです。そこでカンパニーは、ゴム糸に使う原料の選定や糸の加工方法など試行錯誤すること4年、洗ってもほとんど縮まないゴム糸を開発。従来品よりもはるかに高い伸縮性を持っているだけでなく、糸が縮むことなく織り上げることが可能となり、デニム独特の風合いも出せるようになったのです。さらに、織り方や加工方法の確立にも7年もの時間を要し、11年の歳月を経て、新たな生地「モンスターストレッチ」を完成させたのです。