株式会社 アサムラサキ(広島県)
今回は、広島県で多くの人が口にしたことのある「かき醤油」を製造するカンパニー「アサムラサキ」が登場。現在、創業100年以上の老舗企業をけん引しているのが6代目社長の藤井悠子さん。父でもある前社長が急に亡くなり、2021年、27歳で社長に就任。右も左もわからないまま入社した社長を支えたのは社員たちがつくった業務マニュアルだった!看板商品でもある「かき醤油」は、祖父が企画し、父が販売を行って、人気となった商品。しかし時代の変化と共に「かき醤油」は、売り上げが伸び悩んでいた。それを打開するために6代目の悠子さんがとったある驚きの行動とは?
創業114年を誇る老舗醤油メーカー「アサムラサキ」。広島産の牡蠣を贅沢に使った「かき醤油」を1992年に発売して、今や年間170万本も製造する看板商品となっています。企画したのは4代目社長の藤井直訓さん。広島らしいお土産をつくりたいと考え、広島の特産品・牡蠣に注目。ダシと醤油に牡蠣エキスを加えた新しい醤油を2年の試行錯誤の末、開発したのです。しかし、当時はダシ醤油が今ほど普及してなく、消費者が何に使えばよいかわからなかったため、最初は売れませんでした。そこで考えたのは、試食大作戦!5代目社長の直彦さんが指揮を執り、各地のイベントやスーパーマーケットで試食会を開催。地道なPR活動で売り上げを伸ばし、発売から10年、ようやく「かき醤油」が世の中に浸透し、人気商品となったのです。
広島を代表するダシ醤油としての地位を確立した「かき醤油」。その矢先、5代目社長・直彦さんが突然他界。そんな中で社長に抜擢されたのは、娘の悠子さん。当時、入社4年目の27歳。「かき醤油」は発売から30年が経ち、時代の波に翻弄されて売り上げが伸び悩んでいる時期でした。新たな市場を開拓しなければ生き残ることができないと考えた悠子さんが注目したのは、お菓子市場でした。ヒントになったのは、祖父の直訓さんが考えたお土産の発想。「かき醤油」をパウダー状にすればお菓子にしやすいと考え、お父さん譲りの行動力でパウダー化してくれる企業に依頼し、「かき醤油」のうま味を生かしたパウダーを開発しました。そのパウダーを手に、連携してくれるお菓子メーカーを探し、構想からわずか数カ月でかき醤油のうま味が絶妙に絡み合ったスナック菓子が完成。これをきっかけに、様々なメーカーと協力してかき醤油パウダーやかき醤油を原料にしたコラボ商品を販売しているのです。