株式会社 エンヴィジョン(広島県)
今回は、広島県広島市でビリヤードのキューの先端に付ける「タップ」を製造する「エンヴィジョン」が登場!カンパニーのタップは、なんと世界60カ国で販売され120人以上のプロプレーヤーが契約。当初、理想のタップを求めて自社製作に踏み切ったカンパニー。使用する素材や製造方法を見直し、最高品質のオリジナルのタップが誕生!しかし、その自信とは裏腹にまったく売れず…そこで社長がとった大胆な行動とは?今回は広島から世界へ!ビリヤード界に革新をもたらしたカンパニーのそ~だったのか!に迫ります。
ビリヤード用品の製造販売を手掛ける「エンヴィジョン」。その中でも、キューの先端に取り付ける「タップ」の販売は世界シェアトップクラス。カンパニーがタップをつくるきっかけとなったのは、大のビリヤード好きの平岡社長がタップに違和感を覚えたことでした。1990年代初めまでタップの主流は牛の革。しかし、牛の革は厚さが一定ではないため、同じ商品でも硬さにばらつきが出ていたのです。実際に突いてみないと、いいタップなのか悪いタップなのか判断できない。そこで、平岡社長はタップの自社製作を決意。従来の牛の革ではなく、厚さにばらつきが少ない豚の革を使用。ただ牛の革より薄いため、より多くの皮を重ねてつくる必要がありました。豚の革のあらゆる部位や様々な接着剤を試し、ついに厚みや硬さにばらつきのないタップが完成したのです。
2007年、オリジナルの製造機械を導入して大量生産の準備を整えたカンパニー。価格での妥協は一切せず、国内を中心に営業をかけました。しかし、いくら品質のいいタップでも、国内では相手にされませんでした。そこで、ビリヤードのマーケットが広い海外に目を向け、ビリヤードが盛んな国や規模の大きさを問わず、平岡社長自ら様々な大会に出場。その理由は、勝つためではなく、大会に出場する実力のあるプレイヤーを見つけて、サンプルタップを渡し続け、品質の良さをプレイヤーから口コミで広げてもらうためだったのです。すると、サンプルを使ったプレイヤーがカンパニーのタップを認め、海外の代理店との契約が次々と決まっていきました。現在、世界60カ国で販売され、123人ものプロビリヤード選手とも契約。今期は過去最高16億円の売り上げを見込めるまでに成長したのです。