株式会社 パンジー(広島県)
今回は、きめ細かな風合いや心地よい肌触りが特徴の植毛加工した化粧用パフを製造する広島県府中市のカンパニー「パンジー」が登場。カンパニーの縫製パフは現在、国内シェア9割を誇り、海外にも輸出するほど人気に。カンパニーは元々、医療品などの生地に多く使われている植毛加工をウレタンのパフに応用して開発。20年もの間、国内では注目されることはなかったが、韓国で大人気に!高い評価を得た理由とは?さらに縫製パフにとどまらず様々な化粧品にもその技術を応用!今回は業界に革新をもたらす化粧用具の植毛加工カンパニーのそ~だったのかに迫ります!
ウレタン植毛パフの製造で国内シェア9割を誇る「パンジー」。植毛加工とは、パイルと呼ばれる繊維を0.1ミリから数ミリの長さに裁断し、ベースとなる材料に接着する技術。ベルベットやスエードに近い上質な質感と手触りが魅力で、衣料品などの生地に多く使われていました。その可能性に目を付けたカンパニーは、ウレタンスポンジに植毛した化粧用植毛パフを開発。しかし、新素材であったため、化粧品メーカーはすぐに採用に踏み切れませんでした。顧客の反応を探るため、ウレタン植毛パフを販売促進用の景品として化粧品の購入者に無料で配布。すると、納品した300万個の植毛パフは人気となり、採用されることになったのです。
自慢の植毛加工技術を駆使し、ウレタン植毛パフを世に送り出したカンパニー。しかし、そのころ出始めた油性ファンデーションとの相性が良くなかったのです。そんな時に登場した「NBR」と呼ばれる合成ゴムのパフが油性にもパウダーにも対応できるとあって主流となり、植毛パフは開発から20年もの間、日本で大きく注目されることはありませんでした。そんな中、カンパニーの植毛パフが注目されたのは、寒さが厳しい韓国。冬になるとゴムが硬くなり、肌触りが悪くなることがあったため、寒くても硬くなりにくい植毛パフが人気となったのです。また、韓国は輸出を通じて外貨を稼ぐことが重要視されている国。カンパニーが材料と技術を提供し、そこで製品化されたパフがヨーロッパやアメリカへ渡ったのです。その後、中国への輸出も開始し、カンパニーの植毛技術は世界を舞台に飛躍していったのです。