株式会社 mint(広島県)
今回は、平和をテーマにしたサイクリングツアーを企画・運営するカンパニー「mint」が登場。始めた当初は、年間参加者が60人ほどだったが、今では2000人の超える大人気のツアーに。その人気の秘密は「ストーリー性」にあった。外国人観光客は何を求めているのか徹底リサーチ。その中で多くの人が「平和を学びたい」と考えている事を知り、カンパニーは広島の「復興」の物語に注目。被爆者や地元の人々に耳を傾けて脚本を作成。さらにガイドのジェスチャーや声のトーンなど細部にいたるまでこだわることで「心に響くツアー」だと話題に。今回は平和をテーマに新たな観光の可能性を広げるサイクリングツアーカンパニーのそ~だったのか!に迫ります。
平和をテーマにしたサイクリングツアーを企画・運営する「mint」。もともとは企業のホームページやアプリを手掛けていましたが、広島を訪れる外国人観光客に目を留め、彼らを対象にしたツアーを始めようと決意しました。しかし、最初に企画したオーダーメイドツアーは年間わずか60人と、思うように参加者が増えなかったのです。そんな時、カンパニーの石飛社長はグアムで絶景を見に行くバギーツアーに参加。この体験がカンパニーの運命を大きく変えることになったのです。バギーツアーには起承転結があり、次の展開を待ち遠しくさせる工夫が詰まっていました。それに比べ、当時のカンパニーのツアーは、各スポットで説明を繰り返すだけで、全体をつなぐストーリーが欠けていたのです。そのことに気づいた石飛社長は帰国後すぐ動き始めました。
石飛社長はまず、外国人観光客が本当に求めているものが何かを徹底的にリサーチ。その結果、多くの人が「平和を学びたい」と考えていることを知り、平和をテーマにしたストーリー性のあるツアーを企画することにしました。原爆が投下され、一面焼け野原から立ち上がった広島の復興の物語に魅力を感じた石飛社長は、原爆資料館を巡り、戦争体験者や地元の人々の声に耳を傾け、物語を見出していきました。そして、参加者に効果的に伝えるため、ガイドのジェスチャーや声のトーンといった演出要素を組み込み、まるで映画のように脚本をつくり上げたのです。さらに脚本を基に、現場でのガイド練習を徹底的に行いました。その結果、物語を心に響く形で参加者に届けることが可能に。2019年に始まったツアーは、年間2000人が参加する大人気ツアーへと成長したのです。