倉敷製帽株式会社(岡山県)
工場などで使われている作業帽。その種類は、作業の内容に合わせて様々です。今回は、その作業帽を1か月に500種類も作り、作業帽の国内シェアトップクラスを誇る、岡山県倉敷市の倉敷製帽株式会社が登場。海外生産がおよそ60%と言われる作業帽ですが、カンパニーの海外生産率はおよそ20%。国内生産にこだわるのは少量生産のオーダーメイドにこだわるため。しかし、効率が悪く、利益も少ない少量生産を実現するためには、大量の注文が必要でした。そこでカンパニーは、採算度外視で全国営業を開始。沖縄から北海道まで、全国をくまなく歩く地道な営業作戦を展開します。苦節15年。カンパニーの営業作戦を成功させた意外な物とは一体?また、最短30日で納品できるカンパニーのスピード感を後押しした、倉敷からスタートしたある企業とのストーリーとは?今回は、飽くなき挑戦を続けて成功に導いた作業帽カンパニーのそ~だったのかに迫ります。
1ヵ月に500種類もの作業帽をつくるカンパニーの強みは少量生産のオーダーメード。しかし、帽子は服ほど値段が高くなく利益が出にくいため、注文の数を増やすことが必要でした。そこで1970年代後半から全国営業することを決断。赤字覚悟で15年間以上、全国の代理店を地道に巡ったのです。営業の売りにしたのは短期納品!そのため、受注してすぐ製造にとりかかれるよう、大手繊維メーカーに協力を依頼し、生地を大量確保しました。通常は注文を受けて60日以上かかるオーダーメードを、カンパニーは最短30日での納品を可能としたことが国内生産トップシェアにつながったのです。
難しい帽子がつくれるようになるまでに5年以上かかることもある、帽子の縫製。そんな縫製技術を持つ人は近年少なくなっていて貴重な存在。そこでカンパニーは工場の縫製スタッフ21人に加えて、在宅型の作業員100人以上に縫製作業をお願いしているんです。高齢者や子育てなどでフルタイム勤務が難しいという人でも帽子づくりができるように、業務用ミシンを無償で貸し出し、作業員のお宅1軒1軒に材料の集配送を行っているんです。働きやすい環境への取り組みが国内トップシェアの帽子づくりを支えているんです。