ようび(岡山県)
今回は、岡山県英田郡で家具製造・建築設計を行う、ものづくりカンパニー「ようび」が登場。カンパニーで作る家具の材料はすべて西粟倉村で伐採されたヒノキ。実は西粟倉村は95%が森林という現状にありながら、安い外国産材が輸入され、国産材の値段は下がり、スギ・ヒノキがたくさん余っていた。それを打破しようと2008年以降「百年の森林構想」を掲げ、林業を産業として町づくりを開始。そして、それを知り共感した大島社長は移住してヒノキの家具作りを決断。ヒノキは「油分が多くやわらかく家具には向かない」と言われたヒノキの家具を1年半がかりで開発。今では家具を求めて海外からも客が訪ねてくるというカンパニーが、今も地域の課題に向き合うこだわりのそ~だったのかに迫ります!
地元・西粟倉村のヒノキで家具をつくっているカンパニー。西粟倉村は地域の資源である森林を生かした事業を行っていて、代表の大島さんは岐阜での職人時代、その取り組みに興味を持ち、視察に訪れたのです。安い外国産木材が輸入され始め、売れなくなった木が余っているだけなく、山にそのまま放置されている現状を知りました。そこで、12年前に移住を決意し、地域で余っているヒノキの家具づくりを開始。ところが、ヒノキは空気層が多く、軽くてやわらかいため、強度が必要なイスには使えないというのが業界の常識だったのです。試行錯誤を繰り返し、座ってもたれた時に荷重が分散されるデザインと強度を保つ木の組み方を編み出し、イスを完成させたのです。地域の課題に向き合いつくられるカンパニーの家具は、その背景にある物語と共に口コミで広がり、売り上げを年々伸ばしているのです。
社員15人のうち13人が他の町からの移住者のカンパニー。移住者が増えた要因の中で一番大きなきっかけとなった出来事が、2016年に起きた工場全焼。社員や地域の人にケガはありませんでしたが、被害は甚大でした。そんな中で、自分たちの手で工場再建を行うことを決意したのです。この活動に共感した人や興味を持った人が集まるようになり、地元の大工さんをはじめ、全国から集まったボランティアスタッフと一緒に木を削り、組み立てていきました。再建を始めて1年半後の2018年5月、新工場が完成。この工場再建の活動に携わった3人が、カンパニーのものづくりの精神に魅かれ、入社してきたのです。