有限会社 中山靴店(岡山県)
今回は、岡山県岡山市で1950年創業の靴カンパニー「中山靴店」が登場。
景気悪化や大手量販店の進出などで、経営環境が苦しくなる中、カンパニーは客のニーズをとらえたオーダーメイド中敷き事業を開始。今では人気となり6店舗まで拡大。靴を通して人々を幸せにしたい、という考えから生まれた接客も好評で徐々にファンを増やしている。今回は昔ながらの靴屋さんが挑む新ビジネスのそ~だったのかに迫ります!
自社ブランドの靴をはじめ、オーダーメイドの靴や中敷きを販売しているカンパニー。中山社長が家業を継いだ2003年頃は、大型ショッピングセンターなどが郊外に多く進出し、その影響で町の靴屋さんは減少傾向に。そんな中、会社の存続をかけて始めたのがオーダーメイドの靴づくりでした。この時、足のトラブルを抱えた方からの注文が多いことに気づいた中山社長は、足のトラブルを解決する中敷きづくりを学び、オーダーメイドの中敷きの販売を開始。オーダーメイドの中敷きは珍しいということで徐々に評判となり、デパートの催事にも呼ばれ、デパートへ店舗を出すことにつながったのです。その後、岡山3店舗に加え、札幌・京都・大阪にも出店し、今では年間1万足以上の中敷きを販売するまでに成長したのです。
お店に来るお客さんからは、商品の良さだけでなく、接客の仕方も評価されているカンパニー。そんなカンパニーの接客には、3つのルールがあります。1つめは、カンパニーではお客さんの足にあった靴を販売することを第一に考えているため、試着では店員が手を添えて靴を履かせています。そのため、店内に靴ベラは置いていません。2つめは、お客さんの靴に関する悩みを解決に導くカウンセラーという意識で接客しているため、接客時間を平均1時間以上かけています。3つめは、お見送りの時は中敷きを履いたお客さんの歩き方を見ることで、不調がないか確認するため、最後まで見届けること。こうした丁寧な接客術がお客さんの評価につながっているのです。