セイショク 株式会社(岡山県)
1880年創業の岡山県岡山市にある布の染色加工会社「セイショク」。西日本最大級の設備を誇り、年間長さ200万メートルの布を染色。主には工場の作業服などに採用されている。ジャパンクオリティにこだわる一方、染色作業の中でどうしても出てしまうのが規格外品の布。その損失額は年間1億円にも!以前は廃棄物として捨てていたが、環境への負荷、経営の圧迫を考え、これまで無かった新しい価値を加えた新素材を開発!布を重ねて、ある方法でカットすることで生まれた世界に1つだけのデザインとは?その新素材は海を渡り、サステナブル大国フランスでも称賛されている!国内の大企業も注目!廃棄された布から生まれた新素材のそ~だったのか!に迫ります。
布の染色加工で西日本最大級の規模を誇る「セイショク」。主に作業服の生地を1日5万メートル染色しています。しかし、カンパニーでは小さな汚れや色のズレなど規格外品の布を年間約2400本、広さにして18万平方メートル廃棄。焼却にかかる費用など、多い年で1億円の損失を生んでいました。さらに、焼却するたびに二酸化炭素が排出され、環境負荷にもなっていたのです。経営・環境の課題に挑むため、カンパニーは廃棄布を使った商品化に乗り出しました。様々な色の廃棄布と接着フィルムを交互に重ね合わせ、高温で圧縮すると、これまでにない不思議な物体に。布とは思えない硬さの大きな塊。これが誰も想像しなかった意外なものに生まれ変わったのです。
廃棄布で不思議な塊を開発したカンパニーでしたが、これだけでは販売につながる商品にはなりませんでした。木材と比べると加工しにくく、使い方が限られていて扱いにくい。さらに大きな塊で価格も高いなどという問題があったのです。そこで、水平に切ってみたところ、大理石のような木目のような、独特な模様が現れたのです。この硬い素材を薄くカットできる企業を2年かけて探し出し、構想から8年、廃棄布をリサイクルした新素材「NUNOUS」が誕生。素材を薄くしたことで商品の幅も広がり、素材をスマホカバーや腕時計などの小物に使用。本格的に販売開始すると、大手企業が壁掛け装飾やテーブルの天板に採用するなど、各企業によってアート性を生かした新しい使い方が広がっているのです。