有限会社 阪本鶏卵(岡山県)
今回は、岡山県倉敷市で行列のできる大人気のたまごサンドをつくるカンパニー「阪本鶏卵」が登場!たまごサンドの人気の理由は3個以上の卵をたっぷりと使ったそのボリューム!さらに多くの人から愛される秘密は「卵の白身」にあった?元々、卵の卸売りや加工業をおこなっていたカンパニーは自社で鶏を飼育し、卵の生産をスタート!オリジナルのエサづくりに販売価格の問題…未知への挑戦には多くの困難が待っていた。今回はたまごサンドで養鶏業界の常識を覆すカンパニーに迫ります!
卵の卸売りや加工業を行う「阪本鶏卵」。1966年、卵の卸売業に乗り出し、1980年代にたまご焼きの製造を開始。ゆでたまごや茶わん蒸しなどの加工も始め、ホテル・飲食店へ卸していました。しかし、ゆでたまごを割った時に黄身が真ん中にある状態でないと規格外品となり、ロスになっていたのです。黄身がずれてしまう原因は白身の弱さ。鶏のエサの高騰により安価なものを使わざるを得ず、結果として卵の質が低下していたのです。そこでカンパニーは強い白身の卵をつくるため、鶏の飼育を開始。鶏のエサにヨーグルトと納豆を使用して発酵させたものを与えることで、白身の強い卵が実現。この成功を受け、養鶏場を購入。現在、8万羽の鶏を飼育し、安定的に高品質な卵の生産が可能となったのです。
理想の卵の生産を実現したカンパニー。しかし、卵の価格の相場は需要と供給のバランスで決まるため、手間暇をかけた卵でも望むような価格に設定することが難しく、採算が合いません。そこで、卵の価値を伝えるため取り組んだのは「たまごサンド」の開発。他にはない個性を出すため、1食分につき卵3.5個を使用。強く弾力がある白身を細かく刻むことで具の間に隙間ができ、フワフワ感を実現させました。ラインナップは、ゆで卵・煮卵・厚焼きたまご・鶏そぼろの4種類。他では味わえないボリュームと食感は口コミで評判が広まり、SNSで瞬く間に話題に。多い時で1日700個を販売するほどの人気商品となりました。すると、カンパニーの卵そのものにも注目されるようになり、地元のスーパーではカンパニー専用の販売コーナーが設けられ、卵はカンパニーが考える適正価格で販売されるようになったのです。