株式会社 スズキ麺工(岡山県)
今回は岡山県で麺づくりで職人技の機械化に成功した「スズキ麺工」が登場!日本中の麺づくりを支える製麺機を開発し、その製造量は全国トップクラス!職人の技で難しいとされていた工程を次々に機械化し、数々の革新を巻き起こしてきた。その象徴とも言えるのが開発から90年経った今でも全国で活躍し続けている手延べ素麺の機械!その開発の背景にあったのは麺職人たちの健康を守りたいという思いだった!今回は、目指すは職人レベル!麺づくりの機械化に挑戦する製麺カンパニーのそ~だったのか!に迫ります。
製麺機の製造量が全国トップクラスの「スズキ麺工」。カンパニーがある鴨方町は、江戸時代から「手延べそうめん」が盛んにつくられてきました。生地にねじりをかけて引き延ばす伝統の「かけまき作業」により、切れにくい、しっかりとした麺になりますが、この製法が職人たちに肩こり・腰痛などの大きな負担を強いてきました。カンパニーは、この手作業を機械化するため、5年に渡る試行錯誤の末、1930年に「かけまき機」を開発。1日8時間のかけまき作業が1時間に短縮され、瞬く間に周辺の手延べそうめん職人たちの間で評判となりました。さらに、カンパニーはこの技術を惜しみなく他の職人たちにも提供すると、全国約800の工場で採用。開発から90年以上経った今も活躍し続けているのです。
1980年代に入ると、大手メーカーが次々と製麺機市場に参入。カンパニーは激しい低価格競争に巻き込まれ、コスト面では太刀打ちできず、受注は次第に減少していきました。1988年に瀬戸大橋が開通すると、うどんブームが到来。讃岐うどんは、その独特なコシと風味で人気を集めました。しかし、お土産用のうどんをつくる乾麺工場では、手打ち特有のコシを再現できずにいたのです。そこでカンパニーは、板状の生地をどうねじらせるかに焦点を当て、3年の歳月をかけ、手打ちのコシを再現した機械を開発。お土産用の讃岐うどんの製造に採用されるようになったのです。その後、ラーメンブームが起こると、2007年に小型製麺機を開発。一畳ほどのスペースで全ての工程を行え、店ごとの理想の自家製麺を手軽につくることを実現させたのです。