十字屋グループ(岡山県)
今回は、おせっかいが町を救う?地域の困りごとをビジネスにする岡山県のカンパニー「十字屋グループ」が登場!廃棄物の処理や下水道の管理など幅広い事業を展開するカンパニー。高齢化率が4割を超える岡山県真庭市で生活に不便を感じたり困りごとを抱えたりする高齢者を支えたいと「なんでもし隊」を立ち上げ。枝の剪定からタイヤ交換まで日常をサポート。その取り組みは、ゴミを資源に変え、農業を活性化する町全体を巻き込む壮大なプロジェクトに!今回はおせっかいから生まれたビジネスの裏側にあるそ~だったのか!に迫ります。
廃棄物の処理、浄化槽や下水道の管理、農作物の販売など、10個の組織により幅広い事業を展開する「十字屋グループ」。1916年、真庭市で地域の商店として誕生したカンパニーは、戦後、汚水・排水処理など環境衛生を担い、町の暮らしを支え続けてきました。しかし、数十年前から町は過疎化と少子高齢化が進み、地域の助け合いの絆は途切れかけていました。そんな中で、カンパニーが思いついたのが、「おせっかい」という新しいサービス。生活に不便さを感じたり、困りごとを抱えたりする高齢者を「おせっかい」のサービスで支えたいと、2005年、「なんでもし隊」を立ち上げ、農作物の枝の剪定からタイヤ交換まで、幅広く高齢者の日常をサポートしているのです。
人口減少により税収が減る一方で、ゴミの量が増え続ける真庭市のために、カンパニーは生ゴミを液体肥料にして資源化することを考案。まず、地域のゴミ運搬業者に声をかけ、協同組合を設立。2014年、微生物の力を利用して液体肥料を生み出す実証実験プラントを建設しました。10年かけて研究や実践を重ねるなど、真庭市の生ゴミの資源化施設の新設に大きく貢献したのです。ここでつくられた液体肥料は、真庭市内9カ所に設置された専用スタンドから、市民は誰でも無料で利用可能に。さらに、この液体肥料を使って農作物を栽培してもらい、生産者からそれらを買い取り・委託販売を行うための会社を設立。道の駅や他県の産直市に卸し、販売できる場所を広げました。生ゴミを資源化することで、年間1億7千万円もの経費削減が期待され、地域の農業も活性化されているのです。