かばはうすホールディングス 株式会社(島根県)
今回は、「炉端かば」を全国に展開する島根県安来市の居酒屋チェーンカンパニー「かばはうすホールディングス」が登場。今や全国に約30店舗を展開するまでに成長したカンパニーの成功の秘訣は「お客さんのニーズ」と「差別化」にあった!山陰での成功を機に大手居酒屋チェーンがひしめく東京・新宿へ進出。しかし、現実は厳しく「山陰」という言葉さえ知らない人も。そこでカンパニーは「山陰」を見える化し大成功!更なる挑戦の地はアメリカ・ロサンゼルス?今回は山陰から世界へ羽ばたく居酒屋チェーンカンパニーのそ~だったのか!に迫ります。
全国に居酒屋「炉端かば」などを30店舗手がける「かばはうすホールディングス」。40年前、安来市の小さな居酒屋から始まりました。1996年、米子市に2号店を開店させましたが、客足は伸びず、経営は赤字に転落。そこで、お客さんの声を直接聞き取るため、店内にアンケート用紙を設置。すると、そこには自信を持って提供していた新鮮な海の幸への否定的な意見が。飲食店の多い米子市では鮮度だけでは勝負できなかったのです。そこで、お客さんが本当に求めているものを届けるため、境港市場で自ら仕入れを行い、季節ごとに変化を持たせた料理に大改革。すると、次々とお客さんが訪れるようになったのです。お客さんの声を拾い上げる戦力で、山陰地方に11店舗を構える地元のカンパニーとしては最大の居酒屋チェーンを築き上げたのです。
山陰地方の人口減少に危機感を抱いたカンパニーは飲食店の激戦区、東京・新宿への出店を決意。2004年、新宿駅から徒歩2分の場所に、山陰海鮮を武器にしたお店をオープン。しかし、現実は厳しく、「山陰」という言葉すら知らない人もいる状態。カンパニーは誰も知らないことを最大の武器に、店の入り口に隠岐島の岩ガキの殻を大量に積み上げ、店内には漁で使用する巻き網をディスプレイするなど、山陰地方を「見える化」。さらに、あえて地元での呼び名を使って山陰料理を大胆に打ち出し、「文字化」することで興味を引きつける工夫をしたのです。そして、境港市で水揚げされた魚をその日のうちに空輸し、夜にはお店で提供。この「山陰の文字化」と「鮮度」の追求が見事に的中。大手チェーン店がひしめく新宿で、カンパニーは年間1億円以上を売り上げることに成功したのです。