株式会社 ラ・コミック(鳥取県)
今回は、著名なマンガ家を数多く輩出してきたマンガ王国・鳥取県のマンガ制作カンパニー「ラ・コミック」が登場。連載マンガ家を目指していた社長でしたが、ヒットに恵まれない日々を過ごしていました。そんな中、社長が思いついたのが、学校の図書館にある歴史マンガのような情報マンガで、企業ストーリーや遺跡を紹介するマンガを制作すること。そんな社長が描く夢は鳥取の子どもたちが誰でもマンガを描けるようにすること。
まんが王国の鳥取県を拠点にマンガを制作しているカンパニー。寺西社長は1989年にマンガ家としてデビューし、サラリーマンとして働きながらマンガを描き続けていました。そんな中、2006年、マンガを仕事にしたカンパニーを設立。サラリーマン時代、広告代理店に勤めていた経験を生かし、イラストとセリフで分かりやすく物事を伝える「情報マンガ」というジャンルで、広告する商品などの情報をマンガにできないかと考えたのです。そのアイデアを元に、鳥取県に、毎年新しい事業で表彰している企業のストーリーをマンガにしたいと持ち掛けたのです。2006年から始まったこの取り組みでは、企業を表彰する副賞としてマンガを制作。これまでに50社以上のストーリーを手掛けているのです。
カンパニーが10年前から力を入れているのが、鳥取県内の小学生を対象にしたイラスト教室。この活動には、絵を描く楽しさを伝えるだけでなく、「鳥取を誰でもマンガの描ける町にしたい」という、寺西社長の願いも込められているのです。そんな地域に根付いた活動を行ってきたことで去年、町の教育団体から、鳥取県で初の私設学校を設立したふるさとの偉人「豊田太蔵」の人生をマンガにするという依頼が舞い込んできました。しかも、その学校に通う高校生と一緒に制作を行ってほしいというものだったのです。今年3月、100ページにもおよぶ大作のマンガが完成。現在、地元の学校や図書館に配布され、歴史資料として利用されているのです。