株式会社 チュウブ(鳥取県)
国立競技場や今年誕生したエディオンピースウイング広島など全国の名だたる競技場で採用される鳥取県の芝カンパニー「チュウブ」が登場!プレーする選手たちも絶賛するその芝の秘密は鳥取ならではの自然環境にあった!高度経済成長期にゴルフ場の芝栽培で一気に市場を獲得したカンパニーだったがバブル崩壊で、売り上げは半減…存続の危機に。起死回生を狙い、スポーツ競技場の芝市場へ乗り出す。求められたのは激しいプレーにも耐えうる強靭でクッション性の高い芝。そこで、カンパニーが生み出した芝には「鳥取の自然環境」の驚くべき力が大いに関わっていた。今回は最高の芝でスポーツ選手たちのプレーを支えるカンパニーのそ~だったのか!に迫ります。
芝の生産・販売・施工を手掛ける「チュウブ」は、日本の名だたるスポーツ競技場に芝を供給しています。スタジアムの要望に応じた芝を250種類生産し、国内シェアトップクラス。1963年に大山のふもとで創業したカンパニーは、「黒ぼく土」と呼ばれるミネラル豊富な火山灰土を活用し、芝の栽培を始めました。1960年代の高度経済成長の中、ゴルフブームでゴルフ場建設が急速に進み、カンパニーの芝は大きな市場を獲得。1992年には出荷額が16億円に達しました。しかし、バブルの崩壊とともに、わずか1年で売り上げは8億円まで急落。ひっ迫した状況から逃れるために見つけたのが、スポーツ競技場の芝生市場だったのです。スポーツの人気が高まり、国際試合の増加とともにスタジアムの新設や改修の需要が拡大すると見越し、カンパニーは2012年からスポーツ競技場の芝の生産を始めたのです。
スパイクによるダメージにも耐え、迅速に回復する強靭さが求められるスポーツ用の芝。多くのスタジアムでは水はけを良くするため、芝の下に砂が使われています。そこで、カンパニーは鳥取ならではの広大な砂地を利用した芝の生産を開始。砂地は土より粒の間に隙間があり、根が伸びやすいため、根から養分をたくさん吸収し、多くの茎や芽を生み出すことができます。これらが絡み合い密度が高くなることで、回復力が高い強靭な芝が育つのです。しかし、砂地は水をすぐに通過させてしまうため、根が必要とする水分や養分を保ちにくいという弱点も。そこで、根の成長を促進する成分を豊富に含む肥料を自社で配合。さらに、土栽培の2倍もの量を与えることで、前例のない強靭な芝をつくり出すことに成功。2016年、ついに砂を用いた芝の生産方法を確立させたのです。