有限会社 梶岡牧場(山口県)
今回の舞台は、山口県の中央に位置する美祢市。有限会社梶岡牧場で育てられている牛は300頭。肉の美味しさから地元のブランド認定商品にも指定されている一品ですが、実は、それ以上に全国から注目されているのは、牛のふんから作るたい肥。全国の農家から注文が殺到し、3か月待ちの状態が続いているというのです。一見好調に見えるカンパニーですが、今からおよそ20年前には牧場経営の大ピンチを迎えました。さらに、その10年後、口蹄疫の流行で大手牧場が倒産する中、カンパニーにいた500頭の牛が全くいなくなるという、さらなるピンチに直面します。カンパニーが生き残りをかけて打った一手とは?カンパニーの経営危機を救った「たい肥製造」とは?何故、そんなに売れるのか?の秘密に徹底密着!今回は、たい肥の販売で「うん」を引き寄せた牧場カンパニーのそ~だったのかに迫ります。
全国でいち早く牛糞を使った堆肥の製造を始めたカンパニー。堆肥とは、良い土をつくるため畑に蒔く「こやし」のことで、カンパニーの堆肥は、現在全国の農家からの注文が立て込み、3カ月待ちの状態が続いているというんです。その人気の理由は、臭くなく、土をより軟らかくできること。カンパニーの堆肥づくりの特徴は、長時間かけて行う「完全発酵」。そのため、カンパニーでは
牛の糞の殺菌作業に2週間、発酵・熟成に半年かけたのち、商品として販売しています。手間暇かけてつくるカンパニーの堆肥は、有機栽培を行う農家の人たちを中心に評判となっているのです。
2014年から始めた自社ブランド牛の飼育。中でもこだわっているのは、子牛に与えるエサのワラ。実はこのワラは、カンパニーの堆肥を使って地元の契約農家がつくったお米からとれたものなんです。さらに、美味しい牛肉をつくるためにかかせないのが、カンパニー直営のレストラン。ここで、自分たちが育てた牛肉をお客さんに提供。食べてもらった感想を参考にしながら、牛の飼育に反映させているのです。こうした努力の甲斐もあり、「地元のブランド認定商品」に登録。見事、地域から愛されるブランド牛となったのです。