株式会社 ネオブルーディステラリー(山口県)
今回は、山口県長門市のカンパニー「ネオブルーディステラリー」が登場。
元々、日本の棚田百選にも選ばれている油谷地区の「東後畑棚田」の景観を守るために立ち上げられたカンパニーが、今年4月に発売したのが、なんと1本1万円するお酒の「ジン」。東後畑棚田で栽培する様々なハーブをブレンドして作るジンですが、その土壌は鉄分を含む赤土で光合成が活発になり、香りの強いハーブが育つのが特徴。
さらに棚田でハーブを栽培する取り組みは、カンパニーがジンを作ったことで地域にある広がりを見せています。
今回は棚田景観保存の発想が生み出した地域活性化のそ~だったのかに迫ります。
「日本の棚田百選」に選ばれた東後畑棚田がある長門市油谷地区でオリジナルのジンを製造しているカンパニー。油谷地区は国の減反政策や農家の後継者問題などで、全盛期と比べ約70%の棚田が耕作放棄地となっていました。この現状をなんとかしたいと、ゆや棚田景観保存会が荒れ放題だった棚田を開墾。カンパニーの契約農家として、そこでハーブを栽培しているのです。カンパニーのオリジナルジンはたくさんのハーブをブレンドしているのが特徴。ワイン騎士団の騎士号を持つ西村社長が、季節によって変わるハーブの香りをひとつひとつ嗅ぎとり、数種類のハーブをブレンド、蒸留器から抽出すれば、ハーブの風味たっぷりのオリジナルジンが完成するのです。
カンパニーがジンを完成させたことで、最近では保存会以外の人もハーブ栽培を手伝ってくれるようになり、棚田から消えかけた地域のつながりが少しずつ戻ってきています。そんな中、保存会にも新たなメンバーが加わったんです。地元の青年の家で働く田島さん。仕事が休みの週末に移動販売車で、棚田で栽培したハーブの花を添えたジェラートやハーブの風味のソーダを販売しているんです。多い時で1日300人のお客さんが訪れることもある人気のお店。かつては誰も足を止めることがなかった場所がジェラート店の登場で人が集まる場所になっているのです。