株式会社 トーフミート(山口県)
今回は、山口県宇部市で次世代の食材といわれる豆腐で代替肉を開発したカンパニー「トーフミート」が登場。昨今、世界の「タンパク質危機」が叫ばれる中、カンパニーは大豆ではなく豆腐から作る代替肉「トーフミート」を開発。味と食感がお肉に近く、その独自性がベジタリアンやビーガンにも対応する食材として注目を集めています。しかし、その開発の裏には老舗豆腐製造を受け継ぐ覚悟と苦労がありました。今回は世界をタンパク質危機から救うかもしれないカンパ二―の、そ~だったのかに迫ります。
豆腐からつくる代替肉「トーフミート」を生み出したカンパニー。きっかけとなったのは、2016年に始めた豆腐の製造でした。特別な製法により大豆の香りや雑味が少なく、さっぱりとした味わいで地元でも評判が高かった豆腐。これを受け継ぐため、1年かけ、ようやくおいしい豆腐をつくることに成功。しかし、当初、豆腐は全く売れなかったのです。そこで、全国各地のイベントに出店し、豆腐をPRして回っていたところ、2019年、九州のビーガンイベントで、実行委員長に「こんないい豆腐をつくっているなら、代替肉をつくってみませんか」と、声をかけられたのです。その提案を受けて、豆腐からつくる代替肉の開発をスタート。ビーガンの代替肉メニューをヒントに、試行錯誤を重ねました。そして、開発から半年後、豆腐からつくった代替肉「トーフミート」が完成したのです。
2019年にカンパニーが開発した、豆腐からつくる代替肉「トーフミート」。地元のホテルのメニューに使われるなど、様々なところで反響を呼んでいます。そんな中、カンパニーが悩んでいるのが、商品の生産が追いつかない状態になっていること。多い日では30分刻みで5〜6件の商談が入っていて、生産量に対し約10倍の注文が舞い込んでいる状態。自社の工場を拡大するにも時間がかかり、世界の代替肉需要の流れに乗り遅れてしまう。そこで、カンパニーは、他社に委託製造することを決断。今年4月から供給可能となったのです。