株式会社 神東ファーム(山口県)
今回は、山口県岩国市のレモンカンパニー「神東ファーム」が登場!甘くて爽やかな風味、そして皮ごと食べられるマイヤーレモン。過疎化が進み、荒れ果てた土地を復活させようと、この希少なレモンの栽培に挑んだのは、農業の知識も経験もゼロの元公務員の男性だった。収穫できても赤字続き…そんな窮地に追い込まれた彼を救ったのはある意外な経験だった!さらに、2024年には、国から地域活性の優良事例に選ばれるまでに。今回はゼロからの挑戦!地域を元気にするレモンカンパニーのそ~だったのか!に迫ります。
「神東ファーム」が栽培をしているマイヤーレモンは、オレンジとレモンをかけ合わせて生まれた柑橘で、甘みが強く酸味が少ないのが特徴のレモン。カンパニーの代表・瀧山さんは、高齢化と担い手不足によって荒地となっていた耕作放棄地を使って、地域活性化のために収益性の高い作物を植えて就農基盤をつくることにしました。そこで、岩国市由宇町の雨が少ない温暖な気候とも合い、比較的育てやすいマイヤーレモンを栽培することにしたのです。2018年、瀧山さんはボランティアの力を借りて耕作放棄地を畑へと再生し、栽培に乗り出しましたが、農業の知識も経験もゼロ。そんな時、出会ったのが農業大学校でマイヤーレモンの研究に励む三谷さんでした。2021年、専門知識を持った新たな仲間を迎え、本格的に始まった栽培。そしてその年、ついに460本の木から1.4トンの収穫に成功したのです。
マイヤーレモンの収穫に成功したカンパニーでしたが、経営はまさかの赤字続き。そこで、瀧山さんが思いついたのは、由宇町の役場で働いていた公務員時代の経験と人脈を活用することでした。様々な補助金の申請や、名前さえ知らない人がほとんどのマイヤーレモンを知ってもらうために、ホームページを制作。そこには家庭でも食べてもらえるようにと、料理研究家とコラボしてレシピも掲載しました。さらに、岩国市内の学校給食にマイヤーレモンを使ってもらうことにしたのです。給食に使われる日は自ら学校へ行き、マイヤーレモンの魅力を子どもたちに直接語りかけています。そんな地道なPR活動が実を結び、マイヤーレモンの知名度は急上昇。地域のホテルやスーパーマーケットなどにも販路を拡大。2024年度の収穫量は過去最多の15トンとなり、ついに立ち上げ以来、初めての黒字化を達成したのです。