子どもと電子メディアの付き合い方 専門家が指摘する3つのポイント

8/27(木) 19:48

育児の話題をお伝えするコーナー。今回のテーマはこちら子どもと電子メディアです。新型コロナウイルスの感染拡大で、出かける場所なども限られ子どもが電子メディアに触れる機会が今、増えています。

広島市安佐南区の油浦さんのお宅。小学6年の一人息子晴海君が、夢中なのはゲームとユーチューブ。新型コロナウイルスの感染拡大が拍車をかけました。
【油浦晴海くん】
「増えたと思います」「(ユーチューブは)一日に2〜3時間かな」
ゲームは日曜日だけとルールを作っていますが厳しく言い切れない事情もあります。
【油浦晶子さん】
「友達も遊びに来られなくなったし、他にレジャーとか楽しみがなかなか取りづらくなったので、せめてゲームぐらい楽しんでいいんじゃないかなという気持ちがどこかにあって強く言えない」
【油浦晴海くん】
「ゲームより友達と遊んでる方が楽しいと思います。毎日友達と遊べなくてさみしいですよ」
コロナの影響で、こうした家庭は増加傾向にあります。しかし、文部科学省の調査によると,テレビゲームの使用時間が増えるほど学力が低下しているという結果も出ています。
【油浦晶子さん】
「視力も悪くなるし、姿勢も悪くなるし、内容がどうかなというものもあったりするので心配です」
去年5月、WHOは「ゲーム障害」を疾病と認定。これを受け香川県では、今年4月「ネット・ゲーム依存症対策条例」を施行しました。18歳未満に対し、ゲームの利用を平日は1日1時間、休日は1時間半までに制限し、更に、スマートフォンの使用は、義務教育修了前は午後9時までとしています。

一方、専門家は、時間の制限以上に大切なことがあると指摘します。ポイントは3つ。睡眠・傾聴・承認です。
【広島市電子・メディアインストラクター 笹川進吾さん】
「一番大切なのは睡眠。やっぱりそこを大切にしながら一日の生活リズムを整えるということですね例えば小学校1年生で10時間必要ですし、6年生でも9時間、中学生になっても8時間以上必要なので時間をどう配分するかということを考えてもらいたいと思う」
続いて傾聴と承認
【広島市電子・メディアインストラクター 笹川進吾さん】
「子どもに親がこうしなさいというわけでなく子どもの意見なんかを聞く、いわゆる傾聴をしっかりしてその話を進めていくということですね。その時に大切なのが承認ということで子どもが意見をいったらすぐだめよじゃなくてということですね。だめだということじゃなくて常にそういう問いかけとか聞き出しとかですよね。そうするとしっかり自分でコントロールできるようになる。そうすると依存になるとかあまり少なくなってくると思う」
電子メディアの関わりは0歳から注意が必要です。
【広島市電子・メディアインストラクター 笹川進吾さん】
「0歳から2歳まではできるだけ見せない使わせない方がいい」
1歳をめどに写真を見たり、テレビ電話のやりとりは許容します。もし動画を見る場合は親も一緒に見ることがポイントです。そして3歳になると…
【広島市電子・メディアインストラクター 笹川進吾さん】
「だんだん一人で見る時間が増えていく、それでも忙しい時に一緒にできないときは必ず後でどんな話だったかどうかそういう時間を設けてほしい。1分でも2分でもいいから与えっぱなし見せっぱなしというのはやめさせる」

一方、小学生以上になると犯罪などに巻き込まれる危険性も。感染拡大後、広島県警へ寄せられる相談で増えたものとは…。
【広島県警少年対策課・崎本昌弥統括少年育成官】
「最近ゲーム課金について相談が多いんですけれども、これが一万、2万という単位ではなく100万円以上の単位での相談があったりします。多い金額だと800万とか。それはクレジットカードを親がきちんと管理して、パスワードは子どもに絶対教えないこととか。現金というものに触れる機会が少ないのかな、というところで、カードからお金が出てくるというようなお金に対する価値観も変わってきているのかという所もあるので、親は認識していなければこうしたことがいつのまにかおこってしまっている」
ゲームを取り上げると家庭内暴力につながるケースも。一方、去年に比べ、相談件数がおよそ4割も増えたのは、「性の逸脱行為」に関するものです。
【広島県警少年対策課・崎本昌弥統括少年育成官】
「SNSを使って知り合った知らない人に対して裸の画像を送ってと頼まれるとそれを安易に送ってしまったために児童ポルノの被害者になってしまったというケースも増えたりはしています」
被害は小学生から始まり、中高生では、お小遣い欲しさにSNSで出会った男性とやりとりする「パパ活」も増加しています。
【広島県警少年対策課・崎本昌弥統括少年育成官】
「SNSで知り合った相手とは『会わない』ということ。そして自分の裸の画像を『撮らない』『送らない』『個人情報を載せない』こうした4つのポイント、これをきちんと守ることができたら自分自身を守るということにもつながってくるのかなという風に思います」

<家庭で注意する3つのポイント>
(1)家庭でのルール作り。
親が一方的に決めるのではなく親子で話し合って決めることが重要。
(2)フィルタリング閲覧制限。
被害にあった子どもの多くが使用していない。フィルタリングも万全ではないので、親が定期的にモニタリングをすることも必要。
(3)困ったときは、少年サポートセンターに相談。
広島082−242−5110 福山084−925−7011