広島県内「SNS型投資詐欺」の被害17億円 巧妙化する手口 偽アプリの見分け方は?

6/17(月) 20:30

全国で被害が止まらず、社会問題となっているSNS型投資詐欺。
県内でもおよそ17億円もの被害が発生しています。
今、増えているのは偽の投資アプリを使う手口です。
このアプリでどのようにだまされるのか、そして偽アプリの見分け方とは…

こちらのスマホアプリのダウンロード画面。
実在する人気の投資アプリのように見えますが…
実はこのアプリもダウンロードサイトも、全て本物そっくりの偽物。
この偽のアプリをダウンロードすると、操作ができて入金したお金も増えているように見えますが、実際は投資は行われず被害者は多額のお金を騙し取られてしまいます。

無料通信アプリ「LINE」などを使って投資を持ち掛けるSNS型投資詐欺で、新たに登場したこの巧妙な手口、県内でもすでに複数の被害が確認されています。
どのような流れでこのアプリをダウンロードし、被害に遭ってしまうのか。
県警サイバー犯罪対策課が巧妙な手口を明かします。

【県警サイバー犯罪対策課・山中浩世巡査部長】
「犯人はですね、被害者とラインのやりとりをする中で、ライングループへの加入を指示してきます。最初からライングループに招待される場合もあります。
このライングループの中でですね。参加者は口々にあの先生の指示に従っておけば間違いないとか、今回の取引で利益が数百万円出たとか。この書き込みの内容は犯人グループによるもので、集団心理を利用して被害者を騙そうとしてきます」

投資する気にさせると犯人グループはLINEで投資アプリのダウンロードサイトにつなぐリンクを送ってきます。
このリンクにアクセスすると、公式のアプリストアにそっくりな先ほどの偽のウェブサイトにつながります。
アプリも実在する海外の投資アプリとほぼ同じアイコンが使われていて見分けるのは簡単ではありません。
犯人グループはアプリをダウンロードさせると、このアプリを使って投資をすると言い、指定した口座に送金するよう求めてきます。

【山中浩世巡査部長】
「アプリの中ではすごく利益が出ているように見えるんですけども、実際には利益が出てないし、取引もしていない。ただ単に犯人に振り込んだだけという状態になっている」

はじめ利益を手元に引き出させて、本物だと信じ込ませた上で、次はさらに多額の送金をさせるのですが…

【山中浩世巡査部長】
「いざその利益を出金しようとすると、税金や手数料などいろいろな名目がかかると理由をつけて、出金ができないということを言われて、被害者は被害にあったんだと気づくことになります」

詐欺と分かったときには後の祭り。
大金が戻ってくることはありません。
本物そっくりなウェブストアとアプリを使った巧妙な手口、偽物と見破る方法はあるのでしょうか?

【山中浩世巡査部長】
「アプリをダウンロードする時に偽サイトはこのように横にバーが伸びるように表示されています。公式のアップストアではこちらのようにですね、円を描くようにダウンロードされるというのが通常の動作になります。一番の違いはですね。この部分なんですけどもアップストアではないために、画面の下の部分にURLが表示されているというところが違いになります」

そもそも、偽のアプリをダウンロードしないためにはどうすれば良いのでしょうか。

【山中浩世巡査部長】
「アプリは必ず公式ストアiPhoneであればアップストア、AndroidであればGooglePlayストアからダウンロードして利用するようにしてください」

偽の投資アプリやLINEを駆使して大金をだまし取るSNS型投資詐欺。
被害に遭わないために最新の手口を知っておくことが大切です。