広電宮島線沿線の魅力 草津駅 “がんす”が自慢「創業明治のかまぼこ店」草津南駅は「公園の中に灯台?」

6/26(水) 20:00

鉄道の魅力を熱くお伝えする野川キャスターの「てつたま」

【野川キャスター】
前回から広島電鉄が宮島線沿線で行っている『宮島線と、二十一の風景と。』の取材しています。1駅1枚、駅周辺の日常風景の中にある魅力をポスターにして掲示していて、前回は…西広島駅のまもなく創業98年のお肉屋さんを紹介しました。
それでは…西広島駅から出発進行!

広電西広島駅を出発して向ったのは、4つ先の草津駅です。
距離にしておよそ3キロ、わずか6分ほどの電車旅です。
早速、駅構内に貼られたポスターを探します。

【野川アナ・広島電鉄 地域交流課 前田 琢己 係長】
「あ!」
「こちらです」
「ありましたね。こちらが草津駅のポスターと。どんなお店かなと思ったら、これもう、のぼりが出てますね。広島名物がんす」

この地域のありのままの魅力として、草津駅のポスターになったのは、名物のかまぼこ店でした。

駅の北側を通る道路へ出ると…

【野川アナ・広島電鉄 地域交流課 前田 琢己 係長】
「この辺り、ちょっとこう趣のあるね、建物が多いですね」
「そうですね。あの屋根見てもらったら分かると思うんですけど、ここ西国街道で江戸時代からあるんですけど、こっち向きに庇がきているところは古くからある街並みがあったりとか。というところがいくつか残っているっていう。で、もと宿場町っていうところもあって、山の方には色んなお寺があったりとか、歴史を知れば知るほど、より深みのある町っていうのはよく分かるかなと思います」
「ですからこう、本当に昔からたくさんの人が行き交う街だったんですね」
「参勤交代とか、ああいう時代から多分いろんなお侍さんとかが歩いたと」

昔ながらの下町の風景の中を歩いていると…見つけました!草津名物のかまぼこ店、坂井屋さんです。店のすぐま裏を宮島線が走っています。

【野川アナ・広島電鉄 地域交流課 前田 琢己 係長・坂井屋 店員】
「一番売れ筋なのは、どのあたりなんですか?」
「やっぱりがんすですかね?」
「がんすですね」
「はい」
「1枚がんすをお願いいたします」
「はい。じゃあ後でみなさんのを…」
「ありがとうございます」
「ちょっと待っててください」
「本当に練りものってこんなにいっぱいあるんだなって思いますね」
「サトシって」
「サトシ、謎ですね。しそ天は分かりますけど、たこ焼きみたいな天ぷらも、あ、そう言われればっていう感じはしますけど、サトシは解読難しいですね。これはどういったものなんですか?」
「食パンにすり身とチーズを挟んでます」
「食パンにすり身とチーズ」

サトシも気になりますが、店の名物がんすは1枚105円。
午前中だけ、揚げたてを頂くことができるんです。

【野川アナ・広島電鉄 地域交流課 前田 琢己 係長・坂井屋 店員】
「すみません、お待たせしました」
「ありがとうございます」
「熱いので気をつけてください」
「香りがいい…お、おおお。<落としそうになる>セーフ、セーフセーフ。魚の旨味がもう…」

それでは、揚げたてのがんすを頂きましょう!

【野川アナ・広島電鉄 地域交流課 前田 琢己 係長】
「おいしい。外側はサクサクなんですけど、中身がプリプリ。思っていたよりもちょっとね、がんすが若干こう薄いんですよ。この薄さが、このサクサク感とちょうどいい塩梅になってるんですね。これは揚げたてならではですよね、通いたくなります」
「お店で食べるのとはまた違う」
「ここならではの味かなと」
「そしてこの、本当にすぐうしろをですね。広電の宮島線が走ってるんですよ。もう頻繁にこの踏切の音が鳴って」
「そうです、音が鳴って」
「本当になんかこう生活の一部っていうか」
「そうですね。隣にはもう新しい家もあったりする中で、このたたずまいが残っているっていうところと。がんすって提供しているものが、もう生活の風景になってるっていうところが、すごく僕らにビビッときて、もうここだって。住んでいる人からすると当たり前の風景かもしれないし、知らない人が来ると、多分斬新な風景として映るっていうところが良い。
伝えたいこととして」

まさに草津ならではの、魅力を収めたポスターでしたね。
次はいったいどんなポスターに出会えるのか、草津駅から路面電車に乗り込みます。

【野川アナ・広島電鉄 地域交流課 前田 琢己 係長】
「草津駅から乗りましたけれども、次はどちらに行きますか?」
「次はすぐ隣の草津南駅です」
「草津南。今もうアナウンスがありましたけど、本当すぐ隣の駅ですね」

草津駅からわずか1分。草津南駅に到着しました。

【野川アナ・広島電鉄 地域交流課 前田 琢己 係長】
「一駅で来ました」
「一駅できました」
「では、この駅のポスターを。お!ちょっと爽やかな感じのポスターですね。旧草津灯台」

草津南駅周辺の魅力を収めたポスターは灯台です。それは意外な場所にありました。

【野川アナ・広島電鉄 地域交流課 前田 琢己 係長】
「草津南駅を降りて宮島街道を超えて、商工センターの方に向かって歩いているんですかね」
「はい」
「ちょっとですから、方向的には海の方を向いて歩いているわけなんですが…」
「ここです。公園なんですけど、灯台が」

西部埋立第七公園の中にある石組みの構造物…その先端にあるのが、かつての草津港にあった灯台です。
1960年代、かつての漁港は埋め立てられ、灯台だけが残りました。

【野川アナ・広島電鉄 地域交流課 前田 琢己 係長】
「元々ここが海だった。船がバンバン通っていたところだと思うんですね」
「へー、そうなんですね」
「まあ漁港っていうところを示す灯台が、そのまま残されて、公園の一部として今も生きている。灯台って目印っていう意味もあるんですけど、なんかそれが壊さずに、今も残ってるっていうところと。公園の中に生きているっていうのは、たぶん全国的にも珍しいんじゃないかなと思って。それを大事にされた地元の方とかの尽力があってからの今だと思うので。
この風景ってすごいやっぱりもっとみんなに知ってもらいたいと思うし」
「もう何十年の公園という形で、すでにここにあるんですね」

役目を終えたかつての灯台は、公園の中にたたずみ、今は船ではなく、子どもたちを見守っています。
草津南駅周辺の愛すべき風景の一つでした。

坂井屋 
広島市西区草津本町
◯がんす 1枚105円