強風でポキリ!平和公園の「旗ポール」実は”木製”だった 修復を断念、特注アルミ金属製に更新へ 広島

7/12(金) 18:27

去年11月に強風で折れた平和公園にある国旗掲揚台のポール。今月下旬に新たに設置されることになっていますが、その背景を取材しました。

【矢野記者】
「広島市中区の工場に来ています。ここにある、これが…そうなんですか?」

【サンポール・若江祐輝課長代理】
「18mのポール」
Qポールで18m?
「全国でもかなり長いほうですね」
”全国的にも珍しい長さ”のポール。どこに設置されるかというと…。

広島市で最大瞬間風速20.6m/sを観測した去年11月。
平和公園の慰霊碑近くに掲げられていた「国旗」も激しくなびいています。
しかし…。
強い風を受けた掲揚台のポールの先端がポキリ…。
国旗を降ろすことができなくなりました。

【久保田記者】
「原爆慰霊碑の後ろ側、国旗が掲げられています。こちらは仮設の金属ポールでその横では新たな国旗掲揚台の基礎部分の工事が進んでいます」

強風による破損から8か月たった今も”仮設のまま”であるのには、ある深い理由がありました。

【広島市緑政課・橋本浩太 主査】
「1本の木柱ということで当時入手が困難。あとはあそこに運び込むという当時はすごく困難を極めたとうかがいまして、寄贈者の方が強い思いを持っていると初めて知りました」

実は去年壊れたポールは高さ18メートルの”木製”でおよそ40年前に世界の平和を願って寄贈されたものでした。
去年11月に折れたのが先端の滑車のついた金属部分のみだったため市は修復して使うことができないか検討を重ねたといいます。

【広島市緑政課・橋本浩太 主査】
「なかなか強度の面から担保できない部分がございましたので、専門家の話であったりとか他都市の事例を調べながら、少し時間をかけて対応について検討させていただきました。結果として強度の面ではっきりと耐えられると判断できなかったので、今回更新という選択肢をとった経緯があります」

そして今回、これまでの経緯も理解した上で新しいポールを寄贈するサンポール。
旗ポールの国内トップシェアですが一般的なポールは長くて15mのため平和公園に設置される長さ18mのポールは工場でも滅多に扱わないサイズです。

【サンポール・若江祐輝課長代理】
「旗ポールというのは何メートルごとにジョイントされていて、それを繋ぎ合わせていくが18mとなるとかなり分かれているので製造も大変だった。アルミの特性はしなるという特性が鉄やステンレスに比べて秀でているので、それが国旗掲揚ポールに適している」

12日は実際にパーツを組み合わせ納品前の準備が進められていました。

【サンポール・斉藤慧副主任】
「これを一度全部つないだ状態でクレーンで吊って建柱になる」

平和公園への設置は今月下旬の予定です。