TSS新人記者が警察学校に体験入校 広島県警140人の学生とトレーニング 半年で警察官として現場へ

7/15(月) 20:30

警察官になるための警察学校にTSSの新人記者が体験入校しました。
厳しいトレーニングをこなす学生たちの意識の高さを身を持って実感したようです。

【向井記者】
「警察学校ではどんな訓練が行われているのか2日間体験します!」

坂町にある広島県警察学校。
4月に入校したおよそ140人の学生がいる中、今回一緒に学んだのは大学卒業組の初任科生、男性15人・女性6人のクラスです。
警察官になりたい理由を聞くと、「落とし物でお世話になったから」。
「白バイ隊員になりたい」など。みんなそれぞれ憧れをもっています。

【学生】
「2日間という短い時間ですが、3班の班員として共に頑張っていきましょう!よろしくお願いします!」

挨拶を終え、早速学生が毎日取り組んでいるというトレーニングに私も参戦。
持久力や筋力をつけるため、スピード感と大きな動きが特徴のウォーミングアップから始まります。

【向井記者】
「足腰にきます…」

トレーニングの内容は男女一緒。
犯罪を前に女性も男性も関係ありません。

【教官】
「自分の命を落としてしまったら元も子もないので、空ぶってしまってもしょうがない。割り切ってまず間合いを取って立て直したりとか、自分の中で切り替えて最後までやってください」

(学生:はい!)

逮捕術では、自分の命を守りつつ、犯人を捕まえる必要があり、素早い判断と力強い打ち込みが求められます。
胴着や防具を着た状態で力強く打つコツは…

【学生は】
「手だけじゃなくて体全体でふったほうが力が入りやすいので、足とかを使いながらやるのがいいと思います」

しっかり汗をかいた後、今回は特別に犯罪捜査にかかわる鑑識も体験。
専用の粉をつけると指紋の部分に反応するんです。

【向井記者】
「指紋が出てきました」

学生たちもゼラチンでできた特殊なシートに気泡が入らないように真剣な表情で写します。

【学生は】「人の人生を大きく変える証拠採取ですからね…」
【向井記者】「そうですね」
【学生は】「真剣にやらないとまずいですよね」

学生との意識の差を痛感しました。
今回は最もきついといわれる盾を使ったトレーニングにも挑戦しました。

【向井記者】
「すごい…ずっしりきます」

およそ8キロある盾を手にグラウンドを駆け抜けます。
さらに、このあとはリレーを2回戦!

(絶対勝つぞ!おー!)

なぜ厳しい訓練を毎日頑張れるのか。
その理由は夜分かることに。

【学生】
「組織で動くので警察官は。足を引っ張らないように努力はしているんですけど、どうしても埋められない差がある」
「声を出すことが私はしんどい。『私は得意じゃないから』で許されるようなところじゃないので、本当に自分ひとりじゃないというのが大きくて」

女子寮で本音が聞けました。
それでも、折れることのない警察官を目指す強い意志が彼女たちの背中を押します。

(2日目)
午前6時半過ぎ。
警察学校の朝は早いんです。
私も学生に叩き起こされみんなで走って体育館へ。
早速始まったのは朝の体力トレーニング。
この日、学生たちは「夏季訓練納め会」を控えていて、朝から気合十分です。

【向井記者】
「朝から皆さんこうやって毎日トレーニングをやられていて本当にすごいなと思いました」

春から訓練を重ねた学生たちにとっていよいよ節目の大会が始まります。
4カ月の集大成、学生たちは日々の練習で培ったものを発揮します。
試合を終えた学生は…

【学生は】
「焦りが出てしまって思い通りの打ち方ができなかったと思います」
「これからも努力し続けて県民の方を守れる力強い警察官になりたいと思っています」

切磋琢磨する初任科生たち。
一人前の警察官を目指して歩み続けます。

(スタジオ)
ここからは警察学校で取材をした警察担当の向井記者です。
向井さん、どうでしたか?

【向井記者】
「本当にハードな2日間で全身が筋肉痛になりました。同じ班の学生はみんな私と同じ年だったんですが、日頃のトレーニングの差を見せつけられました。学生は基本、朝6時半から夕方5時まで授業や実習など半年間のカリキュラムを受け、ようやく警察官として現場に配属されることになります」

体力的にハードですね。

【向井記者】
「かなりハードなスケジュールですが、私が今回、最も衝撃的だったのが、着替えの際に見えた女子学生たちの左肩にできた大きな痣なんです。実はVTRの最初にもあった逮捕術でできた痕なんです。相手を犯人と思って強く肩に打ち込むため、痣が絶えないということで、かなり痛々しく、学生たちの忍耐力を感じた瞬間でした」

実際に現場に出たら手加減をしていられないですからね。

【コメンテーター:元カープ・山内泰幸さん】
「しっかり訓練してないといけませんからね。それにしても体力的にはほんとしんどそうでした。女性の方はしんどかったと思います」

【向井記者】
「精神的にもかなりハードなトレーニングですが、それだけに仲間でお互いを支えあいながら同じ目標に向かって一緒に乗り越えていく仲間の絆が本当に重要だなと感じました」