広電宮島線沿線の魅力 太古のロマン“飛鳥時代に建てられた神社” 今も地域の愛に守られて 地御前駅

7/17(水) 20:30

鉄道の魅力を熱くお伝えする野川キャスターの「てつたま」。
野川さんお願いします。

【野川キャスター】
今回も広島電鉄が宮島線沿線で行っている取り組み、生活沿線 宮島線のポスター展を取材しています。こちら、もうポスター見せちゃいます。
太古の飛鳥時代の建立と伝わるこの神社、建物の魅力だけじゃない、物語がありました。
それではJA広島病院前駅から出発進行!

<車内アナウンス>
「次は地御前、地御前です」

今回取材するのは、前回のJA広島病院前駅のお隣、地御前駅です。

【野川アナ・広島電鉄 不動産営業部 藤 孝紘さん】
「地御前駅でございますけれども、こちらは。もうすぐに…」
「そうですね」
「見つかりましたね。こちらですね。地御前神社。秋の風景ですね。これはね」
「そうなんです。撮影したのが、11月とかだったので、その頃、イチョウが生い茂っているころですね」
「まあ間違いなく、地元の皆さんに長年愛されてきたところですかね」

駅からおよそ500m。
数分歩くとその神社が見えてきました。

【野川アナ・広島電鉄 不動産営業部 藤 孝紘さん】
「ちょっとあちらご覧ください。そびえてますね、これは。こちらが地御前神社」
「電車通りからすると茂みに囲まれて見えないんですけど、ここまで近づくと一気に存在感増しますよね」

地御前神社は厳島神社の外宮で、創建は厳島神社と同じ、593年と伝わります。
当時、宮島は島自体がご神体の神の島で、島を拝するため、対岸に創建されました。

【野川アナ・広島電鉄 不動産営業部 藤 孝紘さん】
「やっぱりちょっと、厳島神社の外宮というだけあって社殿、立派ですね」
「迫力ありますよね。なかなか中には入れないかもしれないですけど、絵とか屏風とかいろいろ飾ってあって、作りもすごい立派ですよね」
「私たち今、日中の昼間。平日にいるんですけども、結構ね、地元の方、お参りに来られてるんですね。日常にこの景色があるっていうのは、地御前にお住まいの方であれば、誇りですね。地御前駅の風景として、地御前神社を選んだっていうのは?」
「街の人々からも、『やっぱり地御前といえば地御前神社やろう』みたいな、ちょっと誇りみたいなものも感じられまして」

地御前神社の秋の朝を写真におさめたこの1枚には、神社の日常的な風景が切り取られていました。神社近くに住む崎村さんは、地域の小学校の学校支援員を務めています。
ポスターに写る小学生を見守っていた男性は崎村さんだったんです。

【地御前小学校 学校支援員 崎村 六士さん・野川アナ・広島電鉄 藤 孝紘さん】
「たまたま来た時に、撮影隊がいらっしゃって、私、写ってはいけんだろうと思ったら、『自然な形で写ってください』って言うもんだから写ったんですけどね。私は良かったと思います」
「子どもたちとそして崎村さんが写ってらっしゃると思うんですけど、あれはどういった光景の一枚なんですか」
「登校の見回りをするという感じのシーンだったというふうに思います。で、ちょうどトイレがですね、2020年の8月6日に落成したんですよ。で、私自称、地御前神社のトイレ奉行ということで、掃除もしながらですね、見守りもすると。あの子どもたちと一緒にですね、会話することで若返っていると。そんな感じで…子どもたちはよく見ていてね。
『帽子を忘れる』とか、『鼻水が出てる』とか、『髪がえらい黒くなったね』とかね。
そんなことで見守られていると言った方が正しいかもしれませんが」
「その姿も含めて地御前神社も含めて、日常として切り取ったということですもんね?」「はい、その通りです。やっぱり地御前神社単体の写真も何枚か撮ったんですけど、やっぱり崎村さんの掃除されている姿とか、通学を見守っている姿というシルエットとか、人物が映り込んだところ含めて、やっぱりこの地御前の愛すべき日常なんじゃないかっていうのを写真を見返したときに思って。これこそ、ザ・生活沿線を象徴するような1枚になったかなと思ってます」
「地元の方にとって、この地御前神社ってどんな存在なんですか?」
「厳島神社が創建された時に、同じ時期にこれ建てた神社ですから、とても歴史のある神社でございますので、やっぱり地域をあげて大事にしていこうというようなことだというふうに思います。飛鳥時代という話になりますとね。もう推古天皇の頃からずっとあるということを思うと、すごいロマンを感じますよね」

そして神社の前にちょっと興味深いものを見つけました。
線路への侵入を防ぐ金網に、なぜか扉が設けられているんです。

【広島電鉄 不動産営業部 藤 孝紘さん・野川アナ】
「鳥居があって、まさにここがお参りの正式な道になるんですけども。
ちょうどそこをですね、広電の線路が走っているということで、ちょっとここに。藤さん、ここ開きますよね」
「そうです。こちら夏に行われる管絃祭という催しの際に、年に1度だけ、ここが神様の通り道として、ここを開放するようになってます」
「線路のところが神様の通り道になるんですって」

毎年、旧暦の6月17日に執り行われる管絃祭。
この日だけはフェンスを開け、枕木を引き、海岸から神社へと続く参道が開放されます。

【広島電鉄 不動産営業部 藤 孝紘さん・野川アナ】
「しかも奥見ていただくと、2号線挟んで、さらに階段もあって海につながっているような、ここが一本軸になってるような感じですね」
「確かに皆さん見えますか?ここに透明でもないですね。道がありますよ、ここに。神様が通る道が。線路を跨いで。で、鳥居を通って、地御前神社の社殿に続いている」
「そうです」
「ユニークなスポットですね」
「そうですね。電車に乗っていると、なかなか気づかない点なんですけど、こうやって今回ポスターを見て、足を運んでいただいた方になんだろうと、興味を持ってもらえると嬉しいですね」

次回は宮島線の終点、広電宮島口へ。
最後のポスターはいったい、どんな日常を切り取った1枚なのでしょうか?

【野川キャスター】
今年の管絃祭はちょうど来週の月曜日 7月22日ということです。