40年の歴史に幕 「八幡川リバーマラソン」最後の大会 川を走った思い出を胸に 広島市佐伯区

7/22(月) 18:43

40年にわたり続いてきた川の中を走るユニークなマラソン大会が、21日、最後の日を迎えました。

子どもから大人までびしょぬれになりながら川の中を走るマラソン大会。
そのユニークなコースが人気を集め、地元の人たちに愛されてきましたが、21日、惜しまれながら40年の歴史に幕をおろしました。

1984年に誕生した「八幡川リバーマラソン大会」。
広島市佐伯区の八幡川の浅瀬を会場に、川の中に設定されたコースを自然を満喫しながら走ることがこの大会の大きな特徴です。

佐伯区、町内会会長の久保田詳三さん。
このリバーマラソンの生みの親です。
元五日市町の職員だった久保田さん。
県の観光キャンペーンで自然を生かしたイベントの開催を求められ、子ども時代の遊び体験から思いついたといいます。

【久保田詳三さん】
「私はこういう場所で育ったから、川は走るものだと思っていた。魚を追いかけて川の中を走った思い出があればそれは財産になると思う。自然を身近に感じてもらえれば故郷づくりに役に立つと思う」

久保田さんの子供の頃の川遊びから考案されたリバーマラソン。
地域の川に親しみを感じてもらおうとこれまで続けてきましたが、近年の物価高の影響で会場の設営費が大きな負担に。

【大会委員会・原田毅会長】
「資金面が大変難しい。協賛金もコロナで一回止まって集めない時期があり、その後お願いしても企業は難しい状態」

さらに、ボランティアの高齢化もあり来年以降の開催を断念することになったのです。
そして最後の日、リバーマラソンの生みの親として40年にわたって大会を見守ってきた久保田さんの姿がありました

【久保田詳三さん】
「40年前と同じ風景、同じ情景。懐かしい感じ。川を見たらやっぱり走りたくなる」

この日が最後の大会ということもあって800人近い参加者が集まりました。
参加した人のなかには、最後の思い出に残そうと思い思いの仮装をして走る人の姿も。
それぞれが最後を惜しむようにびしょぬれになるのを楽しみながらラストレースを駆け抜けました。

【参加者】
「ベストパフォーマンス賞です。ありがとうございます」
「とても濃いいい思い出になった」
「きつかった。足が重くて進まなかった。楽しかった。もう一回走りたい」

【久保田詳三さん】
「川で走ったという思い出をもって大きくなってもらい、自分の子供ができたときに川の中に連れて来てもらったら川が身近になる。大きなその種をまいたということになるから非常にうれしい」

川を身近に感じ、自然を大切にすることを教えてくれた「八幡川リバーマラソン大会」惜しまれながらその歴史に幕をおろしました。

【参加者】「リバーマラソン最高」

<スタジオ>
【岡野アナ】
昨日は梅雨明けて絶好のマラソン日和に恵まれたんですが、実は私も参加してきました。想像以上にも楽しくて大興奮でしたが、山内さん川の中を2人走った事ありますありますか?

【コメンテーター:元カープ・山内泰幸さん】
「もちろんあります。子どものころ魚を追いかけて走っていました」

【岡野アナ】
水の抵抗と砂地に足をとられてうまく前に前に足を運べず、地上とは比べ物にならないくらいでした。童心に帰ることができて、夏のいい思い出になりました。