世界シェア1位の理由は「品質は命なり」 エンジン部品メーカーに潜入 安部友裕の「覇気」

7/25(木) 20:30

元カープ・安部友裕さんのコーナーです。
世界シェア1位のエンジン部品をつくるメーカーが呉市にあります。
その理由を探ってきました。
いきます!覇気じゃなくて「はギア!」パート2!

【安部友裕さん・ベンダ工業・八代裕次郎常務】
「エンジンをかけるときにブルンっと言うそのときに回転する製品でございます」
「これが回転するんですか」

呉市苗代町に本社があるベンダ工業。
自動車のエンジンに取り付けるリング状の歯車「リングギア」の製造で世界シェアトップを誇ります。
この「リングギア」がまわることで車は動き出すんです。

【八代さん・安部さん】
「くるくるコイル状に巻き取っていってベンダ工業の社名の由来は曲げるというところから来ています」
「曲げる?」
「ベンドというところからですね」

「曲げる」は英語で「ベンド」。
得意の金属を曲げる自慢の加工技術が社名の由来になっていました。
今回は…

【八代さん】
「それでは安部さん、工場にご案内しますので行きましょう」

全自動化が進む「リングギア」の製造現場に潜入します。

【覇気!安部友裕のツイセキ】

先週に続きベンダ工業の常務八代裕次郎さんに案内してもらいます。

【八代さん・安部さん】
「プレートを溶接する工程です」
「ほぼというか全部自動ですか」
「自動です」

製造ラインは監督する作業員こそいますが、一度スイッチが入ると同じ品質に仕上がるように設計されています。
全自動化は近年の人手不足にも対応する狙いがあります。

【ベンダ工業 下中将さん・安部さん】
「全自動になってよかった?」
「やはり人でやると1日300枚しかできないんですけどロボットになって600枚」
「倍になったんですか。おー」

大きく効率化が図れた背景には、ベンダ工業ならではの「逆輸入」方式がありました。

【八代さん】
「(この製造ラインは)韓国のグループ会社で製造しましてそれを日本に持ってきて生産していますので」

世界中の自動車メーカーに安定的にリングギアを供給するためベンダ工業は広島だけでなく海外の4か国に製造拠点を持っています。

【五十川記者】
「インチョン空港にほど近いさまざまな企業がある工業団地なんですが、その一角に『ベンダ』と書かれています」

このうち、韓国・インチョンのグループ会社は1986年に設立され、創業の地・広島の理念が根付いています。

【ベンダ鮮光工業・劉權範 代表理事】
「広島から出て(立ち上げてから)38年ぶりになります」
「本当に1位になろうと世界の。そんなものをつくろうとした熱量が今まで来た原動力になったと言えます」

アジアのどこからでも高い品質を安定して生み出せるノウハウが世界の自動車メーカーから支持される理由です。

【八代さん・安部さん】
「全世界のお客様へ私どもの製品がエンジンが搭載されているということです」
「それはベンダさんの品質が素晴らしいからこそできるものなんですか」
「『品質は命なり』の言葉をモットーに品質に対してはとにかく厳しく管理をしていますので」

ベンダ工業が大切にする「品質は命なり」の精神。
支えているのが検査室です。

【八代さん・安部さん】
「落ちます!」
「おー」
「破損していませんか」
「していませんね」
「中に入っているギアは固いので衝撃に耐えられなかったら品質も満足していないという結果です」

ほぼ全自動化ですが、強度を見極める最後の砦の部分はやはり人が担います。
固定した「リングギア」に重りを落とし想定以上の負荷をかけることで耐久性を確かめます。

【安部さん・八代さん】
「スタート押していいですか」
「もう1回」
「スタートボタンをポチッとな」

本来は1回の耐久試験で十分なのですが…衝撃を2回加えても…

【八代さん・安部さん】
「(重り落下)見てみてください」
「壊れていないですね。八代さん、すみませんでした」

「リングギア」はびくともしませんでした。

【八代さん・安部さん】
「やはり自動車の部品というのは評価も過剰なくらいの評価…試験評価が行われます。ですから日本の自動車は全世界的にも壊れない自動車と言われる所以だと思います」
「ここまで信頼を勝ち得るというかという商品になる…」

<スタジオ>
エンジンを動かす大事な部分ですから、こうやってしっかり品質が保たれないと世界中に届けられないということです。
このオートメーション化されたものをみていかがでしょうか?

【コメンテーター:JICA中国・新川美佐絵さん】
「今はどの業界でも人手不足ということがあるので、産業の持続可能性という点でも重要なところだと思います。車は安全性が一番の求められるので、そこはやはり人によるところが心強いというか、まさにものづくりの真価を見た感じがします」