ヒロシマ被爆79年「祈りの1日」ドキュメント 被爆者の思いを未来へ 

8/6(火) 18:16

広島は原爆投下から79年を迎えました。
祈りの日となった今日一日を振り返ります。

平和公園の慰霊碑は夜明け前から祈りをささげる人の姿がありました。

【1歳のときに被爆】
「元気なうちに私が多くの亡くなられた方の御霊をお参りさせていただいたのがきょうです。来年はどうなるか分かりません。今が私としては命のある限りお参りをさせていただくつもりです」

被爆者の平均年齢は85.58歳。
原爆の惨状を直接知る人は年々減っています。

【初めて参列 黒い雨によって被爆】
「87歳になりますからもう先がないですから拝んでおきたいです」

《平和記念式典》
「ただいまから広島市原爆死没者慰霊式並びに平和祈念式を行います」

「黙とう」

【被爆者・小倉桂子さん】
「核兵器のない世界を願いながら亡くなった人たちに今生きている私は何を語ることができるかというような思い」

【広島市・松井一実市長】
「希望を胸に心を一つにして行動を起こしましょう。そうすれば核抑止力に依存する為政者に政策転換を促すことができるはずです。必ずできます」

【横浜から20代】
「きのう、ちょっと資料館に行ってきたんですけど、こういうことがあったんだこれを人が行って人が死んでいったんだということは伝えなければならない」

被爆者だった家族の思いを語り継ごうという人もいます。
細川洋さん、去年11月に被爆者だった父・浩史さんを亡くしてから初めて迎える8月6日です。

【語り部・細川洋さん】
「人を笑わすのが趣味のような爺さんだったんですけどあるとき言うんです。わしゃ、原爆症になったんじゃ」

平和の尊さを語り継ぐことが父から託された使命だと感じています。

【語り部・細川洋さん】
「父の一周忌が11月末に来るのでそれまでは色んな講話の場に父の遺影も一緒に連れていってあげようかなと」

今も祈りが続く広島。
確実に訪れる「被爆者なき時代」を前にあの日の記憶をどう繋いでいくか…
残された時間は刻一刻となくなっています。