女子大生と広島市が「転出超過」問題で初タッグ 企業の採用活動を若者・女性目線で見てみると…

9/9(月) 19:03

広島県が直面する「転出超過問題」を考えるシリーズ・ミライの広島。
今回は女子大学生と広島市が”初めて”コラボした取り組みを取材しました。

【岡野リポ】
「安田女子大学のセミナールームに来ました。こちらの打ち合わせ。参加しているのは大学生、学外の担当者のようです。みなさん真剣な表情ですね」

【広島市の担当者】
「1回目の(企業訪問の)報告と、気になることとか悩んでいることがあったら言ってほしい」

学生と教員に広島市の担当者も交じって進むミーティング。
学生たちが県内の企業を訪ね、職場の特徴のほか若者・女性目線でどのような取り組みをしているのかに迫り、”イマドキ”女子大生のニーズとマッチしているかも分析します。

【安田女子大学 公共経営学科3年・中村美咲さん(21)】
「広島で働きたいというのもあって、広島の今知らない企業や魅力を他の大学の学生にも伝えたいという思いがあって参加している」

【安田女子大学 公共経営学科3年・西川百合香さん(20)】
「若者が転出超過という問題に対してまだ危機感を持てていない。大学生だけでなく小学校、中学校、高校とか、若者すべてが、そういう危機感を持っていくことが大事なんじゃないかと思う」

大学の就活では”大手就活サイトのみ”が入口になりがちで、身近なはずの地元中小企業にたどり着きにくくなる特徴があるといいます。”待つのではなく自分から情報をつかみ取りに行く”ことも身に着けるためにこの授業も展開されていますが、広島市は今年度この授業に”初めて”加わり、若者と企業の交流の場を市が積極的につくることで、いま課題となっている”転出超過”に歯止めをかけるキッカケにしたい考えです。

【広島市 商業振興課・岩本章 課長】
「今回、こういった取り組みがモデル的にやらせていただいている部分もあるが、いいということであれば、他大学にも声をかけさせていただきながら、取り組みを広げていきたい」

9日は夏休みの時間を使って訪問した企業について報告。
今後の方向性を考えます。

【学生】
「年齢層はどんな感じだった?
「若い人おるんかなって…」
「若い人あんまりいなかった」
「誰か退職したり抜けたりしたら新しい人を採用しようかというスタイルだから…」
「逆に若い子が入りにくいというのはあるよね」

さらに日々、行政の立場で中小企業と向き合っている担当者が学生にアドバイス。

【広島市の担当者】
「若者100人全員にささる企業はたぶんなくて、10人でいいと思う。10人とか5人とかでいいから、そこの会社の特徴的なところがちゃんと出せるのが大事。
でも、それをうまく選べていなくて出せていないというのが広島の中小企業にすごく多いんだと思う」

学生たちはここからさらに企業訪問を重ね、それぞれをPRする動画も制作する予定で、冬には他大学に通う大学生50人が参加する交流会も計画し、そうした結果をふまえて新たなPR手法に必要な要素を市に提言することにしています。