小学校で「予告なし」避難訓練 緊急地震速報、給食室が火事…災害に備えリアリティを追求 広島

9/17(火) 18:22

いつ起きるかわからない災害に備え小学校での訓練に変化が起きています。
呉市で行われた担任や児童に”予告しない”避難訓練を取材しました。

呉市にある原小学校…。
17日は地域の民生委員などが授業参観に訪れ、全校児童104人は、それぞれ真剣な表情を見せます。

低学年のクラスではタブレットを手に国語の勉強をしていました。
すると、突然…。

(♪ピロン…ピロン…)
「緊急地震速報です」

地域を巻き込んで行われた避難訓練。
実は校長や教頭など学校関係者5人しか知らない、担任や児童に”予告なし”の実践的訓練だったのです。

【呉市立原小学校・下河原しのぶ教頭】
「これまで年間行事に位置付けてはいたが、良くないのはマンネリ化、形骸化では本当にイザというときに体が動かないのではないかと、できるだけリアリティを追求するということで…」

特に学校は土砂災害警戒区域内にあり、身近な災害リスクを感じているからこそ手は抜けません。
今回は地震・火災を想定しましたが1年生の教室では…。
緊急地震速報とともに瞬時に机の下にもぐります。
一方、5年生の教室では…。

(♪ピロン…ピロン…)
「緊急地震速報です。強い揺れに警戒してください」

動き出すのが少し遅れ、先生は参観に来ていた人の誘導に戸惑うような様子が見られました。

その後、移動する際も煙を意識してハンカチを口に当てる児童もいれば、そうでない児童もいます。
瞬時にとる行動やその後の対応にバラつきはあったものの何とかグラウンドへと避難しました。

【小学1年生】
Q:きょうやってみてどうだった?
「怖かった」
【小学5年生】
「どう動けばいいんだろうなと机の下にいるときに考えた」
【小学6年生】
「ちょっとどうすればいいんだろうと頭の中がゴチャゴチャになって」
Q:普段から(防災について)考えていても難しいなと感じた?
「はい」

そして児童は地域の人たちと今回の避難について意見交換しました。

【地域の人】
「給食室が火事だからどこへ避難した方がいいよというのはみんなで声を出し合った方がいいような気がしました」
「本番の時にさらに冷静さを保てるように、この訓練はいい訓練だったなと思っています」
【小学校の先生】
「お客さんを放って逃げてはいけない。いくら自分の命は自分で守ろうでも。自分の命と一緒にお客さんの命を守ってほしかった。君たちは逃げ道を知っているけど(地域の人は)知らない」

学校では今回の反省などにそれぞれが向き合い、万が一への備えに繋げたいとしていますが、訓練についても今後、更なる強化を目指しています。

【呉市立原小学校・下河原しのぶ教頭】
「いつもだいたい頭に避難経路は子供も教職員も入ってきているので、例えば避難経路の途中にモノや障害物があって、とっさの判断でどこへ迂回すればいいかとか、さらにレベルアップする避難訓練ができればいいかなと思う」