岸田首相の「ふみきゅん焼き」間もなく販売終了 幅広い支持で駆け込み需要も 広島・呉市

9/27(金) 18:43

27日の自民党総裁選を受けて広島選出の岸田総理が退任します。
政権発足直後に誕生したあの「名物」和菓子の行く末を「ツイセキ」します。

微笑みを浮かべる、岸田総理の「焼き印」がトレードマークのどら焼き…「広島ふみきゅん焼き」です。
岸田総理の退任を受け、今月末で製造販売を終了することになりました。

【製造担当者は】
「今はまだわからないですけど、(製造を)やらなくなったらさみしいって思うのかもしれないですね」

広島県産のハチミツ、小豆、もち米をふんだんに使い、呉市の老舗和菓子店が1枚1枚手作業でつくってきました。

【五十川記者】
「岸田総理の焦げ目の部分がいい味を出しています。あんの部分ももちっとしていてこれはパクパクと食べたくなりますね。この味自体がなくなってしまうのが惜しまれます」

最初に岸田内閣が発足したのは、2021年10月4日のこと。
直前まで広島県内は新型コロナの緊急事態宣言が出されていて、「ふみきゅん焼き」は活気を取り戻す明るい話題にという狙いがありました。
在任期間中の限定品として販売が始まり、いつ食べても変わらないおいしさですが、売り上げはまさに内閣支持率と「運命共同体」でした。
最も好調だったのが…

【岸田文雄首相】
「平和と繁栄を守り抜く決意を世界に示す。G7議長国である日本に課された使命と言えます」

去年5月のG7広島サミット。
内閣支持率は50%台、広島駅などの土産物売り場でも観光客らの目に止まり飛ぶように売れました。

しかし、順風満帆な政権運営は長くは続きませんでした。
その後巻き起こった一連の「政治とカネ」の問題…政治不信を招き、去年11月からは内閣支持率が20%台に低迷。
「ふみきゅん焼き」の売り上げも落ち込みました。

ただ、そこは老舗和菓子店の実力。
この3年で一定のリピーター客が「味の支持者」として売り上げを支えました。
岸田総理が次の総裁選への不出馬を表明したあとは、名残を惜しむ人がこれまで以上に「ふみきゅん焼き」を買い求めるように…
初めて売り上げと支持率が相関しない「駆け込み需要」が起きました。

27日朝も開店して間もなくまとめ買いをする人の姿が…岸田総理の退任とともに今月末、姿を消す「広島ふみきゅん焼き」この3年間で幅広い支持を集めました。