大規模陥没なぜ? 「軟弱地盤に強い工法のはず、地盤調査が不十分だったか」 専門家は疑問示す

9/27(金) 17:50

今回の大規模な陥没事故、トンネル工学の専門家はどのように受け止めているのでしょうか。

【 広島工業大学(トンネル工学が専門)・岡崎泰幸講師】
「シールドマシンというのがもともと軟弱な地盤を対象とした工法で、地下水や地盤変状に影響が少ないといわれている工法なので、そこで今回のことが起きた『なぜだろう』と」

専門家は今回の工事は安全面に配慮が伺えるとします。

【 広島工業大学(トンネル工学が専門)・岡崎泰幸講師】
「トンネル径が6m。地表面からトンネルの上端まで30mあって5倍あるので安全に掘れるように、できる限り地表面から距離をとろうとしたのかなという印象」

その上で指摘したのは、事前の地盤調査についてです。

【 広島工業大学(トンネル工学が専門)・岡崎泰幸講師】
「(事前の)調査数がもうちょっと多いとよかった可能性もあります。これからはどう改善していくか技術者の課題になっていく」

<スタジオ>
改めて事故の起きた状況ですが…。
地下30メートルのところで直径6メートルのシールドマシンが掘削工事を行っていました。
広島市の見解や専門家によりますと、おそらく地盤の中に「元々存在していた」空洞または「新たに生じた」空洞に地下水が多く含まれていたのではないかということです。
その水がトンネル内に漏れ出したことで、空洞ができ、地表の地盤も沈下し水道管が破断した可能性があるということです。

今回の工事は、直径6mのシールドマシンを使い地下30メートルで作業していて、専門家は5倍もの距離を地表面からとって作業しているのは、安全に配慮していたのではと評価しています。

一方で、トンネルを掘る前に複数個所で地盤を調べるボーリング調査の数が十分だったのかなど、今後検証していく必要があるとしています。

ただボーリング調査の地点を増やすと事業費も増える公共事業では、バランスが難しいとも指摘しています。

安全性を高めるため事前調査の在り方をどう改善していくのかが課題になります。