衆院選広島3区 大規模買収事件の震源地 「政治とカネ」に厳しい目 自民票はどこへ

10/8(火) 20:05

今月27日に投開票が行われる見通しの衆議院選挙。
今回は、2019年の参院選を巡る大規模買収事件の震源地となった広島3区に注目します。

【公明党・現職 斉藤鉄夫氏】
「自民党と一緒に戦い、岸田政権を引き継ぐ石破政権の正統性をしっかりと訴えていきたいと思います」

こう語るのは、石破政権でも国土交通大臣として再任された公明党・現職の斉藤鉄夫(さいとう てつお)氏(72)だ。

この日は広島市安佐南区の祇園大橋で道行く人に手を振った。

【公明党・現職 斉藤鉄夫氏】
「3区ならではの課題は政治とカネの問題に関連して、政治への信頼を取り戻す、これがまず第一の課題だと思いますので、私がその先頭に立って頑張っていきたい」

「政治とカネ」の問題が争点になると危機感を募らせる斉藤氏。
3区は、5年前の参院選をめぐる大規模買収事件で実刑となった元自民党の河井克行元法務大臣が長年、地盤としてきた選挙区だ。
前回の衆院選で自民党広島県連は河井氏の議員辞職を受け、公募で選んだ石橋林太郎氏の擁立を目指した。
しかし、自民党への有権者の目は厳しいとする連立与党を組む公明党に選挙区での候補者擁立を譲るよう迫られ、党本部同士の交渉の結果、断念。
県連は、今回の選挙にむけて改めて自民党として選挙区での候補者擁立を狙ったが叶わず、自民・公明の両党本部は地元との協議なしに斉藤氏の擁立と推薦の方針を決めた。

【自民党広島県連・中本隆志 会長代理】
「自民党が斉藤先生を応援すること、これに不信感、またあまりよく思っていない人たちも多々いるわけです」

与党間での選挙協力に不安が残る中、今月3日、県連幹部が党本部を訪問。
斉藤氏を応援するにあたり森山幹事長と小泉選挙対策委員長に対し、改めて、今回の選挙後に石橋氏を3区の選挙区支部長にすることなどを確認した。

【自民党広島県連・中本隆志 会長代理】
「今までの状況を承知しておりますので、最大限譲歩した考え方で対応させていただきますと。こういうはっきりとしたお答えを頂きました」

小選挙区で勝利するためには自民党の協力が欠かせない中、斉藤氏は、先月30日には国土交通大臣政務官を務める石橋氏とそろって広島市安佐南区にある砂防ダムの建設現場を視察。改めて次の選挙戦での協力関係をアピールした。

【公明党・現職 斉藤鉄夫氏】
「一生懸命、自公協力をして頑張っていきたい。石破政権が信を問うということなので、国民の期待に応えられる石破政権であるように自公あわせて頑張っていきたい」

【立憲民主党・新人 東克哉氏】
「2019年の参議院選挙、あの政治とカネの震源地がこの広島だったんです。
そして、5年たった今、国会で何が言われていますか。5年たってもまだ政治とカネの話なんです」

「政治とカネ」の問題で攻勢を強めるのは立憲民主党・新人 東克哉(あずま かつや)氏(43)だ。
自民党の一強政治を批判し政権交代の必要性を訴える。

【立憲民主党・新人 東克哉氏】
「自民の自民による自民のための政治は、もう脱却しなければなりません。人への投資をしていく、立憲民主党にぜひ力を貸してもらいたい」

理学療法士で2歳から中学生まで4人の子育てに奮闘する東氏。
今、必要なのは子育て世代への政策の充実だと訴える。

【立憲民主党・新人 東克哉氏】
「子供医療費の無償化です。全国一律でしてあげたいですね。広島市が県内でも一番遅れていたので、それを知らない人たちもいましたから、せめて全国一律でできるようにしてあげたいなというふうに思います」

また、共産党・新人 高見篤己(たかみ あつみ)氏(72)も今回の選挙は「政治とカネ」が最大の争点だとして与党に対し、裏金問題を厳しく追求する構えだ。

【共産党・新人 高見篤己氏】
「30年前から企業団体献金を禁止せよと一貫して主張してまいりました。自民党の裏金問題を徹底的に究明し、腐敗した政治をただす」

今回の選挙で「政治とカネ」の問題が大きな争点となる中、大規模買収事件により政治不信の声が根強く残る広島3区の有権者は・・・

【有権者】
「このたびは(投票に)行こうかなと。あまりにもひどいから。物価高とお金の問題をきれいにしてほしい、やっぱり人格で選びたいですよね」
「昔から政治とカネはいろいろ問題があるので、なかなかクリーンな政治というのは難しいのではないかと思いますけどね」
「金権政治ばかりやっているところは一回懲らしめないとダメ」

広島3区の有権者は県内の小選挙区の中でも「政治とカネ」に対する立候補予定者の姿勢にひと際、厳しい目を向けている。

<スタジオ>
なお、日本維新の会は8日、広島3区に立候補予定だった瀬木寛親氏の公認をとりやめると発表しました。