宮島の高級宿泊施設計画 1年半ぶり住民説明会 廿日市市「自然は壊さない」住民「ホテルとは競合する」

10/16(水) 18:33

廿日市市が宮島に誘致しようとしている高級宿泊施設の計画をめぐり市が住民を対象にした説明会を開き、これまでの経緯を報告しました。

【廿日市市観光課・山田実 課長】
「(文化庁にも確認したが)国内法を遵守している限り世界遺産の登録から外れることはございません。そのために厳しい規制が宮島地域には課せられているが、これを緩めるつもりもありません」

世界遺産の島・宮島で浮上している高級宿泊施設の誘致計画。
住民説明会で市の担当者は「自然を壊す開発はしない」と強調しました。

【参加した人】
「プロポーザルの話とか進んだときに、どれだけ私たちの声を入れてもらえるのかというのを市長に確認をして、ちゃんと言質を取りたい」

宮島の東側にあり海水浴場やキャンプ場として親しまれてきた包ヶ浦自然公園。
市は、ここに1室1泊平均10万円以上、部屋数が50室以内の高級宿泊施設を誘致し、主に海外の観光客を呼び込む構想を掲げています。

【五十川記者】
「公園の中は立ち入りできるが、元あった施設は老朽化していて立ち入り禁止となっている。海水浴場やキャンプ場の利用は停止しています」

施設の老朽化などで公園は利用客数の低迷が続き、昨年度までに年間2000万円の赤字を計上。今年3月には指定管理者が撤退しました。

住民の代表者らと市の執行部による「協議会」は継続的に開かれてきましたが、広く開かれた「説明会」の開催はおよそ1年半年ぶりです。
住民からは「ホテルありきで計画が進んでいるのでは」と疑問視する声も上がりました。

【参加した人は】
「私たちが事業をしているうえで認識していただきたいのは、間違いなく競合はします」

【廿日市市産業部・木下英治 部長】
「(観光客目線で)多様な選択肢が宮島にありますねというところをしっかり考えていきたい」

<スタジオ>
説明会は、計3回に分けて16日は1時間半ほど行われたということですが、住民からは今後、松本市長から直接説明を求める声も多く上がったということです。