福島原発事故避難者への損害賠償訴訟 原告の一部に慰謝料支払い命じる判決 国の責任は認めず 広島地裁

10/16(水) 19:02

福島第一原子力発電所の事故で広島に避難してきた被災者が国と東京電力におよそ4億円の損害賠償を求めている裁判で、広島地裁は、東京電力に対し原告の一部に慰謝料を支払うよう命じました。

訴えを起こしているのは福島や東京、埼玉から広島に避難した15世帯37人の被災者です。

訴えによりますと原告は、原発事故によって健康不安を抱えながら避難生活を送ることになり精神的な苦痛を受けたとして1人当たり1100万円の損害賠償を求めています。

16日、開かれた裁判で、広島地裁の吉岡茂之裁判長は原告のうち33人が事故によって平穏な生活が送れなくなったことを認め、東京電力に対し、慰謝料として1人最大275万円の支払いを命じ、4人の訴えは退けました。
国の責任については認めませんでした。
裁判の後、原告は集会を開き支援者に判決の内容を報告しました。

【原告兼代理人弁護士・石森雄一郎弁護士】
「いい判断取れましたと胸を張って言えない内容が出てしまい申し訳ない気持ち。もっと踏み込んだ判断を責任を持ってしていただきたかった」
原告団は、控訴を検討する考えです。